東芝インフラシステムズは8月17日、ローカル5Gに対応した分散型アンテナシステム「東芝ローカル5G DAS」を商用化し、本日より販売開始することを発表した。出荷は12月を予定している。

  • DASの特長

    DASの特長

ローカル5Gは柔軟なエリア設計が実現できる特徴を有している一方で、工場や屋内等でのローカル5Gエリア構築では、障害物などの電波遮蔽や、敷地外への電波漏洩といった課題があり、対策のために複数の基地局無線機を設置することで導入コストの増大も課題となる。

これらの課題を解決するソリューションとして今回、東芝インフラシステムズはローカル5G用DASの商用化に至った。DASは、基地局から届く電波を光ケーブルによって分配する事で通信できるエリアを拡張するシステムで、基地局の無線信号を受け取る親機とアンテナを接続する子機(RU)、および親機(MU)と子機間の信号を分配する中継器で(HU)構成される。

電波不感や漏洩といった課題を解消し柔軟なエリア構築を実現できるだけでなく、基地局機器の数を減らすことでコストを抑えることも可能。また、DASのカバーエリア内でローカル5Gの端末が移動する際、ハンドオーバーが発生しないことで端末の安定動作も実現できるとしている。

同社は今後、ローカル5Gビジネスの更なる強化に向け、DASの製品販売に加え、ローカル5Gのエリア設計や免許申請支援、工事まで含めたエンジニアリングサービスの提供や、ローカル5Gの普及展開を阻むもう一つの要因であるユースケースの共創について、必要となる新たなネットワーク技術の開発に取り組む構えだ。

  • 上:親機(MU)、左下:中継器(HU)、右下:子機(RU)

    上:親機(MU)、左下:中継器(HU)、右下:子機(RU)

主な仕様は、周波数帯が4.6-4.7GHz/4.7-4.8GHz/4.8-4.9GHz、帯域幅が100MHz。親機(MU)の本体サイズはW430×D325×H88mm以下(取付金具、突起部を除く)、重量は10kg以下。設置条件は屋内仕様、19インチラック、強制空冷。8分配、合成、Nコネクタ×4、LMT、EMSとのインタフェースを備える。中継器(HU)の本体サイズはW430×D330×H88mm以下(取付金具、突起部を除く)、重量は9kg以下。設置条件は屋内仕様、19インチラック、強制空冷。16分配、合成。子機(RU)の本体サイズはW314×D380×H95mm以下(取付金具、突起部を除く)、重量は10.5kg以下。設置条件は屋外仕様、水平または壁掛け、自然空冷。準同期対応、4×4MIMO対応、Nコネクタ×4、送信電力1W/port ×4。