野村総合研究所(NRI)は5月23日、物流業界における人手不足などの課題の解決と企業の新規参入・事業拡大を支援する「次世代物流構築コンサルティングサービス」を今年5月から提供開始すると発表した。

物流業界の人手が不足する2024年問題

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働が年960時間に制限され、物流業界では人手不足への対応が急務となっている。

物流業界では、共同輸配送の導入、商取引条件の見直し、業界慣習の改革、インフラ整備などが検討されているが、サプライチェーンの複雑さ、ステークホルダーの多さから、企業・業界団体・行政の連携による対応が必要となる。

持続可能な物流網構築のための制度設計を支援

新サービスは、民間企業・各種団体・官公庁に対し、ドライバー不足や物流費の増加に関する独自の分析・推計、物流業界と荷主業界双方へのコンサルティング経験、各種デジタルソリューションのノウハウを組み合わせ、物流課題の解決を支援するもの。

サービスは大きく「持続可能な物流網構築のための制度設計支援」と「物流における「経営・事業・業務」各領域の改革支援と業界参入支援」に分けられる。

  • 「次世代物流構築コンサルティングサービス」のメニュー

持続可能な物流網構築のための制度設計を支援

制度設計の支援としては、「実態調査・制度設計」「標準づくり」「実証運営」を行う。

具体的には、物流・商流の実態把握とその持続可能性を高めるための課題抽出、ならびに、海外動向も踏まえたうえでのサプライチェーンの制度設計を支援する。

物流における「経営・事業・業務」各領域の改革支援と業界参入支援

あわせて、「経営・事業・業務」の各領域にわたって改革と新規参入を支援する。具体的には、「物流起点の経営改革」「物流事業改革」「物流業務改革」「物流業界参入」を支援する。

物流事業改革としては、サービスレベルの最適化、共同物流の構築、工場や倉庫の最適配置について、AIを活用したツールを用いて支援する。また、顧客起点での物流最適化に不可欠なアカウントマネジメント(顧客別の営業・サービス・業務・予算・収支管理)の仕組みを構築する。