Space BDは8月9日、グローバルボーイズグループ「JO1」が公式アンバサダーを務める宇宙利活用プロジェクト「スペースデリバリープロジェクト -RETURN to EARTH-」第2弾として、2023年3月15日に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた搭載品が、6月30日に地球へと帰還したことを発表した。

  • 約3か月の宇宙空間への曝露を経て地球へと帰還した搭載品(一部)の、打ち上げ前(左)と打ち上げ後(右)の比較。

    約3か月の宇宙空間への曝露を経て地球へと帰還した搭載品(一部)の、打ち上げ前(左)と打ち上げ後(右)の比較。(出所:Space BD)

宇宙商社のSpace BDは、企業や学術・研究機関などの参加団体から対象品を集めてISSへと打ち上げ、日本実験棟「きぼう」の中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)に搭載する簡易材料曝露実験ブラケット(ExBAS)を活用して宇宙空間に一定期間曝露したのち、地球へと帰還させ地上での対象品回収を行う、スペースデリバリープロジェクトを行っている。このプロジェクトにおいて同社は、参加団体の募集や対象品の選定、宇宙への打ち上げ、地上回収までのあらゆるサポートを遂行しているとする。

同プロジェクトの第1弾では、2022年2月に搭載品の打ち上げが行われ、約9か月の宇宙空間への曝露を経て地球へ帰還した。

今回の第2弾では、2022年6月に搭載品を決定。国内外の13団体が参加し、研究開発・教育用途やPR利用などさまざまな目的を携えた搭載品が選定された。その中には、スペースデリバリープロジェクト第2弾の公式アンバサダーに就任したJO1のロゴマークが記された記念品も含まれている。

  • スペースデリバリープロジェクト第2弾における搭載品(一部)の領域別内訳

    スペースデリバリープロジェクト第2弾における搭載品(一部)の領域別内訳(出所:Space BD)

それらの搭載品は、2023年3月15日にSpaceXのカーゴドラゴン補給船に搭載され、ISSへと打ち上げられた。その後、3月21日にはISSの船外設備へと取り付けられ、宇宙線や紫外線を浴びながら、地上から約400kmの上空を秒速約7.9km(地球を約90分で1周する速度)で飛行していたという。

そして、約3か月にわたる宇宙の旅を終えた搭載品はISS船内へと移され、6月30日に地球へと帰還。その後、米国航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)など関係機関の検品を終え、今般の発表に至ったとする。

  • ISS船内へと取り外された搭載品

    ISS船内へと取り外された搭載品(提供:JAXA/NASA)

  • 搭載品がISS船内で浮遊している様子

    搭載品がISS船内で浮遊している様子(提供:JAXA/NASA)

Space BDによると、今回の搭載品の中には、“宇宙空間に打ち上げられた”という付加価値を活用して新たな商品展開を企画するプロダクトもあるといい、研究開発・教育・PRでの利用に加え、伝統工芸品やエンタメ領域といった新たな宇宙活用が期待されるとしている。