みらい翻訳は7月13日、英作文の作成をサポートする「時短メール英作文サービス β版+」を発表した。同サービスは、同社の翻訳エンジンと生成AIの文章生成力を掛け合わせて英作文業務を効率化するというもので、同社初の個人向けサービスとなる。

記者発表会には、みらい翻訳CEO&CTO 鳥居大祐氏とCRO 瀬川憲一氏が登壇。合わせて行われたラウンドテーブルでは、同社と立命館大学(以下、立命大)が実施したAI翻訳に関する共同研究の成果発表も行われた。

本稿では、ラウンドテーブルで語られた内容を中心に、共同研究によって明らかになったAI翻訳とアウトプット型英語学習の関連性についてレポートする。

英語力が高い人に“ブルシット・ジョブ”を集中させないために

無料・有料を問わず、AI翻訳は一般に浸透してきたといっても過言ではない。我々が任意の言語でAI翻訳サービスに文章を打ち込めば、指定した言語へ簡単に翻訳してくれる。ビジネスシーンでもAI翻訳は使われていることが多く、みらい翻訳が業務で外国語を扱うビジネスパーソンを対象に行ったアンケートでは、82%が「業務でAI自動翻訳を使っている」との回答があったという。

機械翻訳ツール「Mirai Translator」を提供する同社は「言語の壁を超え、新しい生活と仕事の様式をもたらす」とのビジョンを掲げている。だが、ビジョンの実現に向けて事業を展開する中で大きな課題に直面したという。それは「英語力の高い人へ外国語を使う業務が集中している」ことだ。

  • TOEIC900点以上の英語力を持つ人へ、外国語を扱う業務が集中している

同社が2021年に行った調査では「英語力が高い人ほど、業務の中で外国語を使う頻度が高い」との結果が算出された。みらい翻訳では、この状況への危機感を抱いているという。

「英語力の高い人が、関係ない海外企業との会議に出席し、他者の英語文書を代筆させられてしまっています。彼らに話を聞くと、英語業務の代行は“ブルシット・ジョブ(どうでもいい仕事)”だと回答していました。その業務にクリエイティビティはなく、英語力が高い人のモチベーションは下がる一方です」(鳥居氏)

  • みらい翻訳 CRO 瀬川憲一氏

同社は、こうした問題を解消するには「従業員全体へ外国語を扱う業務を分散させて、業務効率化を図る必要がある」と感じていた。その矢先に、立命大からとあるオファーを受けたという。

学部生全員にAI翻訳ツールを提供した共同研究

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