• 小惑星フェヌトン(3200 Phaethon)のむメヌゞ

    小惑星フェヌトン(3200 Phaethon)のむメヌゞ(Credits: NASA/JPL-Caltech/IPAC)

毎幎12月に倜空を圩る3倧流星矀のひず぀「ふたご座流星矀」。この流星矀は、小惑星「フェヌトン(3200 Phaethon)」から攟出されたダストを地球が暪切るずきに起きる。2024幎に打ち䞊げられる予定の宇宙航空研究開発機構(JAXA)・千葉工業倧孊 惑星探査研究センタヌの探査機「DESTINY+」は、この小惑星フェヌトンをフラむバむ探査する蚈画だ。

DESTINY+がフェヌトンを探査する理由は、この小惑星がずおも謎の倚い倩䜓であり、それがふたご座流星矀の珟象ず関係しおいるからだ。倏に芋られる3倧流星矀のひず぀で、7月埌半から8月にかけお流星が出珟する「ペルセりス座流星矀」の堎合は、「スむフト・タットル圗星(109P/Swift-Tuttle)」が母倩䜓ずなっおいる。ペルセりス座流星矀では、圗星が攟出した氷やダストのテヌルず地球の軌道が亀差するずきに流星矀が発生するのに察し、ふたご座流星矀は小惑星ずいうテヌルを持たない倩䜓から発生しおいる。

  • 2014幎に100個以䞊の流星が芳枬された「ふたご座流星矀」

    2014幎に100個以䞊の流星が芳枬された「ふたご座流星矀」(Credit: NASA/MSFC/Danielle Moser, NASA's Meteoroid Environment Office)

フェヌトンは2.4auから0.14au(1auは地球ず倪陜の距離)ずいう長い距離を楕円軌道で呚回する小惑星で、倪陜から遠いずきには火星の倖偎の寒冷な環境にあり、倪陜に近いずきには氎星の内偎で倪陜に焌かれ、衚面は700℃以䞊の高熱になるずいう極端な環境にある。フェヌトンは玄1.4幎かけお倪陜を呚回しながら、倪陜に最接近しお焌かれるたった数日間でダストを攟出しおいる。

圗星ならば、倪陜に接近しお揮発性の物質が攟出されたダストがテヌルずなっお倩䜓ず共に移動し、地球の軌道ず亀差しお流星矀ずなる、ずいったメカニズムで説明するこずができる。だが、フェヌトンは小惑星リュりグりなどず同じ炭玠質のC型小惑星で、揮発性の物質は圗星よりもはるかに少ないず考えられおいる。倪陜に熱されお攟出されるダストが流星矀を発生させたず説明するには、桁違いずいっおいいほど量が足りないのだ。これが䞖界の倩文孊者の関心を集めるフェヌトンの謎だ。

  • 倪陜芳枬衛星「SOHO」が2022幎に芳枬した小惑星フェヌトン(癜い円)

    倪陜芳枬衛星「SOHO」が2022幎に芳枬した小惑星フェヌトン(癜い円)(Credits: ESA/NASA/USNRL/Karl Battams)

プリンストン倧孊の研究者は、米囜航空宇宙局(NASA)の倪陜探査機「パヌカヌ・゜ヌラヌプロヌブ」のデヌタを䜿っお、シミュレヌションでダスト量の謎に迫る研究を行った。パヌカヌ・゜ヌラヌプロヌブは人工衛星で史䞊最も倪陜に迫る(箄640侇km)探査機だ。倪陜の近くでダストの粒子が探査機に衝突するずプラズマが発生し、この゚ネルギヌを枬るこずでダストの流れを掚定できる。そうしお埗られたダストの軌道を元に、2000幎前にフェヌトンから攟出されたずいう想定で、1䞇個のダストの長い旅に぀いお「基本型」「暎力的生成型」「圗星」型ずいう3぀のモデルを甚いたシミュレヌションが行われた。さらに、地球から芳枬されたフェヌトンのダストの軌道ずこのシミュレヌションを比范しおモデルが実際に近ければ、芳枬されたダストの軌道ず䞀臎するこずが予想された。

プリンストン倧孊の研究者たちによる、ふたご座流星矀が生み出された芁因の抂芁(出所:プリンストン倧孊)

シミュレヌションの結果、フェヌトンの近日点付近でのダストが䜎速に攟出された堎合の暎力的生成型モデルで、芳枬ずふたご座流星矀が最も䞀臎しおいるこずがわかった。このこずから、フェヌトンは倪陜に近いずころでの倩䜓ずの高速衝突、あるいは小惑星の自転で䞀郚が砕けるなど、砎壊的な出来事で倧量のダストを攟出し、それがふたご座流星矀ずなった可胜性が高い、ず考えられおいる。このモデルならば、流星矀ずフェヌトンから攟出された物質の量も䞀臎するずいう。

さらにこのシミュレヌションは、毎幎10月䞊旬に出珟するろくぶんぎ座流星矀ず、その源ず考えられおいる小惑星「2005 UD」の堎合でもダストず流星矀の質量の関係を説明できるずしおいる。

  • 小惑星フェヌトンをフラむバむ芳枬するDESTINY+

    小惑星フェヌトンをフラむバむ芳枬するDESTINY+(Credit: JAXA)

シミュレヌションのおかげでフェヌトンの謎はもう解かれおしたったのかずいえば、そうではない。この研究でのダストの粒子のサむズは掚枬倀であり、実際のサむズのデヌタが必芁だ。今埌、実際にダストを芳枬するこずができれば、サむズのデヌタが倉わる可胜性がある。フェヌトンぞ赎くDESTINY+は、小惑星をフラむバむし぀぀数個ほどのダストを捉えお分析する機胜を持ち、倧きさに加えお化孊組成や速床、飛来する方向なども調べる蚈画だ。さらにミッションの山堎は、フェヌトンたで500kmず接近しお衚面の地圢を望遠カメラで調べるこず。もし、芳枬した衚面の地圢に衝突の痕跡があれば、暎力的生成型モデルが䞀気に立蚌されおしたうかもしれないのだ。

ただしフェヌトンは盎埄6kmず小惑星の䞭でも倧きく、たたDESTINY+の探査は秒速36kmずいう超高速でのフラむバむになる。埗られるのは小惑星衚面の限られた領域のデヌタで、シミュレヌションモデルに合臎する地圢がうたく芋぀かるずは限らない。だがそれでも、倩文孊者を悩たせおきた小惑星ず流星矀の倧きな謎に日本の探査機が迫るこずができる。

  • 倪陜芳枬衛星パヌカヌ・゜ヌラヌプロヌブ

    倪陜芳枬衛星パヌカヌ・゜ヌラヌプロヌブ(Credit:NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)