アドバンテストは6月21日、NXP Semiconductorsならびに米アリゾナ州立大学と共同で、アリゾナ州立大に半導体のテスト・エンジニアリング・コース「EEE 522 Radio Frequency Test」を設置することを発表した。

同コースは、テスト・エンジニアの育成に特化したカリキュラム構成で、同大のイラ・エー・フルトン工学部の教員が独自開発した授業内容をもとに、2023年春学期にアドバンテストとNXPが共同で実施した実験内容を加ものとなり、今後、同工学部の一部であるSchool of Electrical, Computer and Energy Engineering (ECEE)を通じて提供され、毎学期開講される予定だという。

アリゾナ州は米国における半導体製造業の集積地の1つで、多数の半導体メーカーが生産拠点を設置しているほか、現在も複数の工場の建設が進められており、半導体のテストエンジニア需要も高まっている一方で、これまでアリゾナ州の大学の工学部にはテスト・エンジニア育成のためのカリキュラムが設けられていなかったことから、同地に拠点を有しているアドバンテストとNXPがアリゾナ州立大に働きかけ、新たにテスト・エンジニアリング・コースが設けられることになったという。

同コースでは、ミクスド・シグナルおよびRF回路における現在のテスト・スキーム、量産テストの経済性、テスト・コスト削減に関する最新の研究調査方法といったテーマが取り扱われ、学生は、テスト条件とテスト・フローの定義、テスト・プログラムの作成と最適化、測定データの解釈、潜在的な製造上の問題の特定、テストプロセスの自動化などについて学ぶという。また、コースの実施に必要なラボの開発にあたってアドバンテストでは、最新のSoCテスト・システムである「V93000」を寄贈。NXPもエンジニアとともにラボのスーパーバイザーとして参加するとのことで、同大の学生が業界最先端の半導体試験プラットフォームに慣れ親しむことを通じて、コースの目的であるテスト・エンジニアの養成を支援していくとしている。

  • 新コース向けに開発したテスト回路を確認する様子

    アリゾナ州立大に設置される新コース向けに開発したテスト回路を確認する様子 (出所:アドバンテスト)

なお、アドバンテストでは、アリゾナ州に複数の拠点を有していることもあり、今回のコース以外にも、今後、追加される可能性のある新たなコースについても、継続して現地でサポートを継続していく予定だとしている。