中国政府のインターネット・サイバーセキュリティ取り締まりを担当するOffice of the Central Cyberspace Affairs CommissionおよびCyberspace Administration of China(CAC:国家インターネット情報弁公室)は、同国の法律に従って、中国で販売されているMicron Technology製品のネットワークセキュリティ審査を実施したところ、同社の製品には深刻な潜在的なネットワークセキュリティに対する問題があり、同国の主要な情報インフラストラクチャのサプライチェーンに重大なセキュリティリスクをもたらし、中国の国家安全保障に影響を与えることが判明したため、「ネットワークセキュリティ審査不合格」との結論を下したと発表した。
2017年に施行したサイバー空間を統制する「インターネット安全法」およびその他の法令に従って、中国の重要な情報インフラの運営者はMicron製品の購入を停止する必要があるとしている。
当局は2023年3月末に同法などに準拠してMicron製品について、国家安全に対する影響に関する調査を始めると発表していた。
Micron製品のネットワークセキュリティレビューの目的は、製品のネットワークセキュリティの問題が国の主要な情報インフラストラクチャのセキュリティを危険にさらすことを防ぐことであり、これは国家安全保障を維持するために必要な措置だと中国当局は説明しているほか、中国はハイレベルな対外開放を断固として推進しており、中国の法令を遵守する限り、あらゆる国の企業やさまざまなプラットフォームの中国市場への参入を歓迎するともコメントを出している。
なお、米国商務省が近年、中国への半導体輸出規制を強化してきたことから、今回のMicron製品の中国市場からの締め出しは、その報復とみる見方も一部からでている。Micronの手掛けるDRAMは、中国でもSK hynixが無錫で量産工場を稼働させているほか、Samsung Electronicsも韓国で生産したものを中国に輸出していることから、Micron製品の購入が禁止された場合でも、中国企業がDRAMを調達すること自体に支障は生じない見込みである。