マクニカ クラビスカンパニーは5月10日、NVIDIAの提供する「NVIDIA AI Enterprise」、「NVIDIA Omniverse Enterprise」などといったソフトウェアプラットフォームを顧客が自社に導入する前に検証することを可能とするサポートプログラム「AI TRY NOW PROGRAM」を構築、提供を開始したことを発表した。
同プログラムは、マクニカのエンジニアが課題解決に最適なAI技術をあらかじめ厳選し、環境構築を行っているため、顧客は自社にでそうした環境構築を行う必要が不要となり、導入目的に実現性の事前調査に集中することを可能とするものだという。
提供されるソフトウェアプラットフォームとしては大きく「エンタープライズAIプラットフォーム」と「デジタルツイン」の2つ。このほか、NVIDIAの提供するGPUやスマートNICなどといったハードウェアの検証サポートを行う「NVIDIA AIインフラストラクチャー」も用意される。
エンタープライズAIプラットフォームでは、NVIDIA AI Enterpriseを対象ソフトウェアに、NVIDIA A100 TenserコアGPUならびにNVIDIA DGXシステムが提供される。これにより、AI開発から本番運用までAI開発プロセスに必要な検証済みソフトウェアスタックや、学習済みモデルが提供され、開発者がインフラを意識せずにMachine Learning Operations(MLOps)を実現することができるようになると同社では説明している。
一方のデジタルツインについては、NVIDIA OmniverseならびにNVIDIA Isaac Simを対象ソフトウェアに、NVIDIA A40 GPUが提供される。これにより、製造工場や物流センターの設備やロボット、働くスタッフまでプロセス全体をリアルタイムでデジタル化し、物理的に正確でありながらフォトリアリスティックで、精度の高いロボット制御や人の流れをシミュレーションすることを可能にするとしている。
いずれのソフトウェアプラットフォームともにマクニカのデータセンターに設置されたハードウェアに遠隔からアクセスして活用する形となる(ハードウェア検証の場合、ユーザーの手元に送るものもあるとのこと)。利用方法は、マクニカの同プログラム専用Webサイトの申し込みフォームに必要事項を記入する形。基本使用料は原則無料(要望や条件によっては有償利用になる場合がある)で、利用期間は2週間(延長は要相談)。マクニカでは「小さめのPoC、いわゆる導入に向けたPoCという位置づけで、試してもらってKPIの洗い出しなどを行った後、顧客側で大規模なPoCなどを行ってもらう使い方を想定している」と説明している。
なお、同社では初年度の申し込み数20ユーザーを目指すとするほか、そこから3ユーザー顧客を実際に導入まで進めたいとしている。また今後は、NVIDIAの取り組みに即した提供サービスの拡充を図っていくとするほか、エコシステムの強化に向けNVIDIAのパートナー、ソフトウェア/ハードウェアベンダなどとの連携強化を図っていきたいともしており、こうした取り組みを進めることで日本のおけるAIの社会実装の加速を目指すとしている。