エン・ジャパンが運営する「エン転職」は5月8日、社会人1万2,940名から回答を得た「残業」についてアンケートの結果を発表した。

「転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか?」と聞くと、84%が「影響する」と回答した。年代別で見ると、20代と30代は半数以上が「とても影響する」と回答。男女別では、男性が44%に対し、女性は54%と10ポイントの差があり、女性のほうが残業の有無や平均時間などが企業選びに影響することが判明した。

  • 転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか? 引用:エン・ジャパン

「ここ数年で、あなたの残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?」と聞くと、「変わらない」という回答が50%と半数を占めた。業界別で残業時間を見ると、最も増加傾向だったのは、「コンサルティング・士業」(36%)で、これに「商社」「サービス(飲食・教育・福祉など)」「マスコミ・広告・デザイン」が同率28%で続いている。

一方で、「メーカー(機械・電気・電子など)」(32%)が最も減少傾向にあり、次いで「メーカー(素材・食品・医薬品・アパレルなど)」、「運輸・交通・物流・倉庫」が同率で28%だった。

  • ここ数年で、あなたの残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?(業種別) 引用:エン・ジャパン

残業時間の傾向を生んでいる理由を聞いたところ、「増加傾向」の人の回答は「人員が足りないため」が最多で、次いで「仕事量が増えたため」(67%)となっている。「減少傾向」の人の理由は「残業が制限されたため」が最多となった。

2023年4月から法律が施行され、中小企業で働く人の「残業代が引上げ(60時間超)」になったことについて聞くと、「知っている」は全体の4割弱にとどまった。引き上げについては、8割が「良いと思う」と回答している。一方で、引き上げが「良くないと思う」という声も1割弱あり、「残業代を稼ごうとして、わざと非効率な仕事の進め方をしてしまう人が出てくる可能性がある」「無理にでも定時内で仕事を終わらせようという動きになると、業種によっては提供するサービスや商品の質が低下してしまうのではないか」といった声が寄せられている。