米国の電子材料市場調査会社であるTECHCETとパッケージングに関するコンサルティング会社であるTechSearch Internationalは、2022年の半導体パッケージング材料市場は261億ドルで、2023年は半導体市場全体の景気減速の影響を受け、前年比0.6%減となるとの予測を発表した。

ただし、2023年後半には市場が回復基調となり、2024年には同5%程度のプラス成長を記録、2027年には300億ドル近くまで規模を拡大するとも予測ている。

両社の調査対象とした半導体パッケージ材料には、サブストレート、リードフレーム、ボンディングワイヤ、封止材料、アンダーフィル材料、ダイアタッチ材、はんだボール、WLP(ウェハレベルパッケージ)の絶縁材料、ウェハレベルのめっき薬品などが含まれており、2022年を見ると、市場の半分がラミネート基板、次いでリードフレーム、ボンディングワイヤ、封止材となっている。

  • 2022年の半導体パッケージ材料市場における品目別売上高割合

    2022年の半導体パッケージ材料市場における品目別売上高割合 (出所:TECHCET)

半導体不足が顕在化する2019年まで、半導体材料の価格は半導体デバイスメーカーやOSAT(パッケージングからテストまで請け負う製造業者)から、長い間コストダウンが求められてきた。しかし、2020年に生じた新型コロナのパンデミックに端を発した半導体不足によって、サプライチェーン全体で材料価格が上昇に転じたほか、原材料コストの上昇、エネルギー価格の上昇、物流コストの高騰などの影響もあり、材料サプライヤは値上げを余儀なくされ、それが顧客に転嫁されることとなった。そのため半導体パッケージの材料価格は2020年に15%以上も値上げされ、今後もこの価格が維持されるものとTECHCETでは予想している。

また、今後の成長が期待されるパッケージング材料としては、WLP(ウェハレベルパッケージ)やフリップチップパッケージ、ヘテロ集積化などSiPの小型化に必要な材料が挙げられている。WLPの最大アプリケーションはスマートフォンだが、自動車向けも大きな成長が期待されるとするほか、フリップチップは高性能コンピューティング、高周波通信向けに、特にCuピラー配線技術の使用が増えてきているともしている。