ディスコは4月20日、2022年度第4四半期(2023年1-3月期)ならびに通期決算概要を発表した。

  • ディスコの2022年度通期決算の概要

    ディスコの2022年度通期決算のポイント (出所:ディスコ発表資料、以下同様)

それによると、2022年度第4四半期売上高は前四半期比20.0%増、前年同期比7.5%増の790億1500万円、営業利益は前四半期比29.0%増、前年同期比10.7%増の312億8400万円、純利益は前四半期比55.2%増、前年同期比14.8%増の322億2600万円。2022年度通期の売上高は、前年度比12.0%増の2841億3500万円、営業利益は同20.7%増の1104億1300万円、純利益は同25.2%増の828億9100万円となり、通期の売上高、営業利益、利益率ともに過去最高を更新したという。

  • ディスコの2022年度第4四半期業績
  • ディスコの2022年度通期業績
  • ディスコの2022年度第4四半期業績および通期業績の概要

ICの需要が減退する中、売り上げの増加を後押ししたのはパワー半導体からの需要であったという。

また、通期の製品群別の売上高は、ダイサおよびグラインダがメインの精密加工装置は全体の64%(約1818億4640万円)、精密加工ツールが同22%(約625億970万円)、部品が9%(255億7215万円)、その他が5%(142億675万円)としている。

  • 製品群別の売上高推移

    製品群別の売上高推移

国・地域別を比率で見ると、日本が11.5%、米国が12.7%、アジアが68.2%、欧州が7.6%で、海外比率が88.5%となっている。

  • 国・地域別の売上高推移

    国・地域別の売上高推移

なお、同社では2023年第1四半期の見通しとして、売上高を前年同期比10.7%減の533億円、営業利益は同27.2%減の166億円、純利益は同27.5%減の116億円としており、主な要因としては、半導体の最終製品需要が弱くなっており、パワー半導体が下支えしているものの、ICの量産向けダイサーやレーザーソーといった製品が下降局面に入っているためだとしている。また、市場の回復時期については、現時点では回復の兆候を確認できておらず、本格的な半導体設備投資の回復には、最終製品需要の回復が必要との見方を示している。

  • 2023年度第1四半期の見通し

    2023年度第1四半期の見通し

また、2023年度の投資としては、機械・設備の購入費用として約100億円を、オフィスの拡張などに約20億円をそれぞれ投じる計画としているほか、研究開発費として積極的な将来の展開に向けて240億円ほどを投じる計画としている。

  • 2023年度の研究開発および設備投資の見通し

    2023年度の研究開発および設備投資の見通し