三菱電機エンジニアリングは3月15日、目前の空中に浮かび上がらせた空中映像を指先で操作できるタッチパネルモニターの新製品として、表示サイズ5型相当の空中タッチディスプレイ「AX-52DR2」を3月30日に発売すると発表した。
三菱電機エンジニアリングの空中ディスプレイ技術は、光源と特殊な反射プレートからなる光学系を用い、ディスプレイの映像を空中に再結像することで、目前の空中に映像を浮かび上がらせるという仕組みだ。そして、筐体内に空間タッチセンサとして搭載された赤外線インラインセンサによって、空中映像が表示されている面に指が到達した瞬間を検知し、空中映像操作を実現している。
AX-52DR2は、2022年7月に同社から発売された「AX-101TW」(表示サイズ10.4型)に続く製品で、外形サイズは162mm×177mm×206mmと、前世代品に比べて小型化されている。これにより、単体での設置の場合は省スペース化になり、筐体への組み込みも容易になったとする。
また、テンキーや簡易ボタンなどの簡単な入力を非接触操作で実現することがコンセプトとなっており、空中映像にタッチするという直感的な動作が可能。さらに、非接触操作のため指紋などの痕跡が残らず、セキュリティ面での配慮が必要な場合でも適用が可能だという。
使用する際のシステムについては、Windows10を搭載したPCと連携することで入力端末などとしてのシステムを構築できるため、利用開始までの流れもスムーズとのことだ。
最近は落ち着きを見せているとはいえ、新型コロナウイルス感染症の影響から、公共設備における衛生面への関心は依然として高い傾向にある。中でも、医療機関の受付システムや公共施設のさまざまな端末機においては、不特定多数が直接触れることから、衛生面での課題解決が求められている。
三菱電機エンジニアリングは、空中タッチディスプレイ製品に小型化を実現した新製品をラインアップすることで、身近なシステムに非接触機能を取り入れやすくし、快適なくらしの実現に貢献するとしている。
また同社は今後、製品の高輝度化や非接触操作の高機能化に向けた研究開発を進めるとともに、空中タッチディスプレイ製品のラインアップ拡充を目指すとのことだ。