ルネサス エレクトロニクスは3月1日、クラウド上で開発したソフトウェアをハードウェアに展開するIoTプラットフォーム「クイックコネクトスタジオ」を開発、提供を開始したことを発表した。

  • 「クイックコネクトスタジオ」のイメージ

    「クイックコネクトスタジオ」のイメージ

電子機器の高機能化を背景に、そうした機器の開発サイクルは複雑となり、実際に製品を市場にリリースするまで、開発製品の要件定義、搭載するデバイスの情報収集、ハードウェアのレイアウト、ソフトウェアの開発、そしてテストに至るまでの工程を何度も繰り返し行う必要がある。中でもソフトウェア開発は多くのエンジニアリソースが必要となり、その開発容易化が求められてきた。

同IoTプラットフォームは、クラウド上のマイコンボードに、センサや通信ボードなど機能ブロックをグラフィカルに接続するだけで、ソフトウェアを生成、コンパイルし、すぐにハードウェアで動作検証することを可能とするもので、ルネサスのデバイスやツール、開発ワークフローに関する知識が無くても、プロトタイプを迅速に設計・検証し、製品開発までの期間を短縮することができるようになるという。

クイックコネクトスタジオのベースとなっているクイックコネクトIoTは、PMOD、Arduino、MIKROEなどの標準インタフェースを備えたハードウェアのプラットフォームで、エンジニアは、標準コネクタを使用して、マイコン、MPU、センサ、コネクティビティ用のボードをシームレスに組み合わせることができるのが特徴。第一弾としてRAマイコンと各種センサやコネクティビティ機能が提供されるが、今後、対応デバイスの拡充が図られていくほか、将来的には大手クラウドプロバイダ、サービスインテグレータ、オープンソースコミュニティのリーダなど、さまざまなパートナ向けにも拡張・展開される予定だという。

また、クイックコネクトスタジオで自動生成されたシステムプロジェクトは、ルネサスの統合開発環境「e2 studio」に、ビルド済みのバイナリまたはフルソースコードのプロジェクトとしてインポートすることができるため、ユーザはルネサスのツールチェーン全体を活用することが可能だとも同社では説明している。

なお、同社では3月14日から16日にかけて独ニュルンベルクにて開催されるembedded world 2023の同社ブースにて数分でシステムプロトタイプを構築できるデモを披露するとしている。