先日、弁護士ドットコムは「Professional Tech Lab(プロフェッショナル・テック・ラボ)」と「Professional Tech Fund」を創設すると発表した。今回、チャット開発の狙いなどを弁護士ドットコム 執行役員 CTO LegalTech Lab所長の市橋立氏に聞いた。
2つの研究テーマで6つのサービスを開発
ラボではChatGPTを活用してチャット開発などの研究を加速し、ファンドはプロフェッショナル領域の起業家に対して積極的な資金支援・成長支援を行うとともに、次世代の起業家を発掘する大規模ピッチイベントなどを開催するというもの。
同社が提唱するプロフェッショナル・テックとは、弁護士や税理士、医師、弁理士、ITエンジニア、Webデザイナー、ファイナンシャルプランナーなど幅広い専門家領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくアプローチだ。
ラボでは「ChatGPTのサービス活用(可能性と課題)」と「ブロックチェーン技術を活用したWeb3領域の活用」の3つの研究テーマで取り組みを進めていくという。以下がその取り組みとなる。
ChatGPTのサービス活用
法律相談チャット
弁護士ドットコム LIBRARYと「BUSINESS LAWYERS LIBRARY」における29出版社、1,500冊以上の法律専門書籍情報、5,000超のユーザーの利用データによるリサーチニーズを活用することで、論点に関する学説の把握や書籍内容の要約を確認し、参照すべき書籍へのアクセスを最適化、弁護士や法務部のリーガルリサーチを効率化するサービスなどを検討。法律専門書籍のリサーチツール
オンラインライブラリサービス「弁護士ドットコム LIBRARY」「BUSINESS LAWYERS LIBRARY」における29出版社、1,500冊以上の法律専門書籍情報、5,000超のユーザーの利用データによるリサーチニーズを活用することで、論点に関する学説の把握や書籍内容の要約を確認し、参照すべき書籍へのアクセスを最適化、弁護士や法務部のリーガルリサーチを効率化するサービスなどを検討。契約相談チャット
電子契約サービス「クラウドサイン」の累計契約送信件数1,000万以上の契約データ、契約ユーザー数230万超の契約データを活用し、契約締結日や押印について対話的にガイドしていくことで、契約締結に関する疑問を解消できるサービスなどを検討。
ブロックチェーン技術を活用したWeb3領域の活用
スマートコントラクト
契約の「執行」を自動化し、確実な履行を担保することでより円滑な取引を実現。エスクロー(第三者寄託)/ODR(オンライン紛争解決手段)
スマートコントラクト時代における信頼できる第三者としてのエスクローサービスを提供し、完全には自動化できない取引の仲介や、紛争時の仲裁を実現。DID(分散型ID)と連携した新たな取引形態
取引相手に個人情報を明かすことなく、必要な属性(資格情報など)を担保できる、新たな取引の形を実現。
次のページから市橋氏へのインタビューだ。