NTT東日本とNTT DXパートナーは2月1日、ブレインスリープと連携し、森ビルが同社が運営管理するオフィスで働く社員 119名を対象に睡眠の質の向上を通じたワーカーのパフォーマンスアップを目的として行った取り組み「HILLS SLEEP WEEK」について、睡眠測定ならびに分析、睡眠指導を行ったと発表した。

森ビルは“「街(ヒルズ)」に住み、働くことのすべてが「ウェルネス」に繋がる街づくり”を掲げており、今回の取り組みもオフィスにおける新たな付加価値として睡眠がどのように寄与できるのか模索する検証実験として実施されたもの。

取り組みでは、ブレインスリープが提供するアンケート形式で睡眠をスコア化するサービス「睡眠偏差値for Biz」と睡眠計測デバイスの「ブレインスリープ コイン」を用いて、対象者の1か月間の睡眠状態を可視化した。

同取り組みで確認された主な結果としては、「睡眠偏差値の大幅な改善」「生産性の向上」「行動変化と満足度」の3点が挙げられている。「睡眠偏差値」とは、睡眠に関する自覚症状や睡眠習慣を含む幅広い視点で睡眠の主観的評価を定量化する質問群を作成し、日本人になじみのある「偏差値」として数値化したもの。

まず、睡眠偏差値はプロジェクト開始前の48.0と比べて、6.3ポイント増となる54.3と大幅な改善が確認された。また睡眠時間においても、6分改善されているほか、睡眠負債は25分の改善が見られている。こうしたことから、睡眠改善の知識を学び、コンテンツなどを生かして睡眠習慣を見直し、正しく習慣化することで、睡眠の質が改善された結果であるとの見方が示されている。

  • 分析結果 引用:NTTグループ

生産性については、身体と心の健康状態や脳の活性状態においてそれぞれ10ポイント増が確認された。生産性において重要な指標である日中の眠気に関しては「日中眠くて仕事が進まないことがある」との回答が22.9ポイント減となった。

  • 分析結果 引用:NTTグループ

「行動変化と満足度」については、プロジェクト後のアンケートによると、朝に日の光を浴びる、夕方以降カフェインを取らない、就寝する時間や睡眠時間を変えるなど、睡眠に関する行動の変化が顕著にみられたことがわかった。

両社は、今回、「HILLS SLEEP WEEK」を通じて得られた知見を、企業および自治体における従業員、職員、住民の睡眠改善に役立てる取り組みにつなげていきいく。