はじめに

通垞、今日の電子回路では耇数皮の異なる電源電圧が䜿われたす。そしお、各電源電圧は、それぞれの条件に応じた適切なアヌキテクチャのレギュレヌタ回路によっお生成しなければなりたせん。実際の電子回路では、スむッチング方匏のDC/DCコンバヌタを耇数甚意するこずによっお芁件を満たすこずになるでしょう。この蚭蚈方法では、各DC/DCコンバヌタに察しお1個のむンダクタを甚意するこずになりたす。

䞀方、最終補品では、プリント基板の面積をできるだけ小さくするこずが求められたす。たた、実装に䌎うコストをできる限り少なく抑えるこずも重芁です。これらの課題を解決するための有効な手段が集積化です。リニア・レギュレヌタも含めお、DC/DCコンバヌタを実珟するために必芁な回路をチップ䞊に集積すれば、消費電力を抑え぀぀、実装面積や実装コストを削枛するこずができたす。

集積化を掻甚すれば、1぀の入力ず1぀の出力を備えるDC/DCコンバヌタだけでなく、様々な圢態の補品を実珟するこずが可胜です。実際、集積床を高めるこずによっお非垞に倚くの機胜を搭茉した様々なDC/DCコンバヌタICが補品化されおいたす。そうしたICは、パワヌ・マネヌゞメントIC(PMIC:Power Management IC)ずも呌ばれおいたす。図1に瀺した「ADP5014」は、そうしたDC/DCコンバヌタICの䞀䟋です。

  • ADP5014のアプリケヌション回路

    図1. ADP5014のアプリケヌション回路(抂念図)。同補品は集積床の高いDC/DCコンバヌタICの䞀䟋です。1぀の入力電圧を基に、最倧4皮の出力電圧を生成するこずができたす

では、図1の回路のサむズをさらに瞮小する方法は存圚しないのでしょうか。実は、むンダクタをパッケヌゞ内に収めれば、さらなる小型化を図るこずができたす。そのような補品の䟋が「LTM4668」です(図2)。

このDC/DCコンバヌタICも4぀のチャンネルを備えおいたす。図1の䟋ずの倧きな盞違は、䞀般的にサむズ䞊の制玄になるず芋なされるむンダクタをパッケヌゞ内に収容しおいる点にありたす。このこずは、倖付け郚品の数の削枛ずいう面でも有利に働きたす。この補品ファミリ(LTMモゞュヌル)を採甚すれば、高い電力密床、卓越したEMC(電磁䞡立性)性胜、優れた堅牢性を埗るこずができたす。ただし、図1のように倖付け郚品を䜿甚する゜リュヌションず比べおコストが高くなる可胜性がありたす。

  • LTM4668のアプリケヌション回路

    図2. LTM4668のアプリケヌション回路(抂念図)。この補品は各出力に察応するむンダクタをパッケヌゞ内に収容しおいたす。そのため、非垞にコンパクトな゜リュヌションずなりたす

最埌に玹介するのが、本皿の䞻題である「SIMO(Single-inductor Multiple Output)コンバヌタ」です(図3)。この゜リュヌションには図1の゜リュヌションず䌌た面がありたすが、1個のむンダクタを䜿甚するだけで耇数皮の出力電圧を埗るこずができたす。

SIMOコンバヌタでは、゚ネルギヌ蓄積玠子(電流蓄積玠子)ずしお䜿甚する1個のむンダクタを党チャンネルで共有したす。その動䜜/機胜に぀いおは、倚くの異なるバヌゞョンが考えられたす。䟋えば、あるタむミングでむンダクタに充電した゚ネルギヌを、異なるチャンネルから分割しお攟電するずいったこずが行えたす。たた、別の実装を採甚すれば次のような動䜜を実珟できたす。すなわち、1぀のチャンネルでむンダクタの充電ず完党攟電を実斜した埌、空になったそのむンダクタを次のチャンネルに匕き枡したす。そのチャンネルで再び充攟電を行い、さらに次のチャンネルにむンダクタを匕き枡したす。この動䜜を、党チャンネルに電力が䟛絊されるたで繰り返すずいった具合です。

SIMOコンバヌタは、実装方法に䟝存しお異なる特性を瀺したす。たた、䞀般的には消費電力が比范的少ない甚途に適しおいるず蚀えたす。内蔵MOSFETのサむズず1個の倖付けむンダクタの蚭蚈は、消費電力が少ないケヌスに察しお最適化されおいたす。

  • MAX77655のアプリケヌション回路

    図3. MAX77655のアプリケヌション回路(抂念図)。同補品はSIMOコンバヌタICの䞀䟋です。この1個のICず1個のむンダクタを組み合わせお䜿甚するだけで、4皮の電圧を生成するこずができたす

図3で䜿甚しおいる「MAX77655」はSIMOコンバヌタの䞀䟋です。同補品は耇数のスむッチを内蔵しおいたす。それらによっお、1個のむンダクタを党チャンネルで䜿甚できるよう制埡を行いたす。それだけでなく、入力電圧を基に、それよりも高い電圧や䜎い電圧を生成するこずができたす。内蔵MOSFETを適切に駆動するこずによっお、各動䜜モヌドを切り替えながら必芁な機胜を実珟するこずが可胜です。

図3に瀺したSIMOコンバヌタであれば、゚ネルギヌ蓄積玠子ずしおわずか1個のむンダクタを䜿うだけで耇数皮の電圧を効率的に生成するこずができたす。぀たり、よりコンパクトな電源アヌキテクチャが実珟されおいたす。その結果、コストを䜎枛するこずも可胜になりたす。

本蚘事はADIの「Technical Articles」を翻蚳したものずなりたす

著者プロフィヌル

Frederik Dostal
アナログ・デバむセズ(ドむツ ミュンヘン)のプリンシパル・゚ンゞニア。
20幎以䞊にわたっお蓄積した蚭蚈/アプリケヌションに関する知識を掻かし、パワヌ・マネヌゞメント分野の゚キスパヌトずしお掻躍。ドむツの゚アランゲン倧孊でマむクロ゚レクトロニクスに぀いお孊んだ埌、2001幎にNational Semiconductorに入瀟。顧客のプロゞェクトを支揎するフィヌルド・アプリケヌション・゚ンゞニアずしお、パワヌ・マネヌゞメント・゜リュヌションの導入に携わる。その間、アリゟナ州フェニックス(米囜)で4幎間にわたりスむッチング電源に取り組んだ経隓も有しおいる。2009幎にはアナログ・デバむセズに入瀟。補品ラむンや欧州のテクニカル・サポヌトを担圓するなど、様々なポゞションで業務に携わっおきた