Gartnerは1月17日(米国時間)、2022年の半導体市場は前年比1.1%増の6017億ドルとなったという調査結果(速報版)を発表した。また、併せて半導体企業の売上高ランキングトップ10も発表した。
それによると、売上高トップ25社の売上高合計は前年比2.8%増となり、市場割合は全体の77.5%を占める規模だったという。
2022年の前半は半導体不足によって、チップ価格の上昇が生じたが、後半に入ると世界的なインフレ、金利の上昇、エネルギー価格の上昇など世界的な不安要素の拡大に伴う景気減速によって、PCやスマートフォン(スマホ)の需要が低迷。半導体各社の成長にブレーキをかけることとなった。
そのため、半導体製品カテゴリとして最大市場であるメモリ分野の売上高は同10%減となり、多くのメモリベンダが2023年の設備投資額を削減するといった動きを見せているほか、在庫削減ならびに価格下落を抑えることを目的にウェハ生産の減産を進める事態となっている。
メモリを除いたそれ以外の半導体製品カテゴリの売上高は同5.3%増と堅調な様子を見せたが、カテゴリによって濃淡があり、もっとも高い成長率を見せたのはアナログ半導体で同19%増、次いでディスクリートで同15%増となっており、この成長の下支えをしたのは自動車の電動化というトレンドと、産業機器などからの高い需要だという。
こうした状況の2022年、売上高トップは前年比10.4%減と大幅な減収に見舞われたもののSamsung Electronicsが2年連続でトップを守った。2位はIntelだが、こちらも同19.5%減とPC市場の停滞の影響などから減収を記録。3位のSK Hynixも同2.6%減と上位3社はいずれも減収を記録しつつも、昨年同様の順位を守った。
4位は2021年5位のQualcommで、売上高の伸びは同28.3%増。代わって前年4位から5位に転落したのはMicron Technologyで同3.7%減となった。6位は前年から変化せずBroadcomで、売上高は同26.7%増。7位には前年10位のAMDがXilinxの買収完了の効果もありランクイン。売上高の伸びは同42.9%増とトップ10社中でもっとも高い成長率を見せた。8位は前年同様Texas Instrumentsが同8.9%増でランクイン。9位は前年7位だったMediaTekが同3.5%増とプラス成長を遂げながらも、順位を落としてのランクインという形となった。
そして10位には前年11位だったAppleが同20.4%増という高い伸びを見せてランクイン。AppleはBroadcomのWi-Fi/Bluetoothチップを自社開発に切り替え、セルラーモデムと統合するといった噂が出ており、自社設計デバイスの比率が高まれば、さらなる売り上げの伸びが期待されることとなる。