量子ドット材料メーカーのNanosys社は、Eyesafe社と共にCES 2023にて「Eyesafe QD」を発表し、それぞれのプライベート展示室にてデモおよび説明を行った(図1)。Eyesafe社は、目の健康に影響を及ぼすとされている青色光を緩和する技術の提供、標準化などを行っている米国企業である。

  • Nanosys社のプライベート展示室にてデモされたディスプレイ

    図1 Nanosys社のプライベート展示室にてデモされたディスプレイ。右側が「Eyesafe QD」を搭載したもの。比較対象の左側はソフトウェアなどでEyesafeの規格値をクリアしたもの。「Eyesafe QD」搭載品で高輝度・広色域が実現されている (CES 2023にて筆者撮影)

Eyesafe QDは、Nanosysが開発してきた非Cd系の青色(B)量子ドット(QD)を用いている。これまでのQDシートに分散されていた赤色(R)および緑色(G)の量子ドットに青色系を加えることにより、青色のピークを長波長側にシフトさせ、かつエネルギーを効率的に振り分けて赤色と緑色のスペクトル形状を整えることで、色域も拡大することを特徴としている(図2)。これらRGB三色のQDは、すべて非Cd系である。

  • 「Eyesafe QD」の説明パネル

    図2 「Eyesafe QD」の説明パネル。従来のQDシートに替えてRGB三色のQD材料を分散させたシートを挿入している (Nanosys社のプライベート展示室に掲示されたものを筆者が撮影)

Nanosys社とEyesafe社は、この「Eyesafe QD」を2023年の後半からディスプレイメーカー向けにサンプル出荷を開始し、2024年に製品化する予定である。