核融合研究所(核融合研)、北海学園大学、名古屋大学(名大)の3者は1月10日、プラズマを材料に照射する技術を半導体の材料加工に応用し、従来に比べて工程数を削減できる新たな加工技術を提示したことを発表した。

また、同技術を用いて、次世代の高機能発光デバイスである微小レーザー光源「ランダムレーザー」を開発し、これまで困難とされてきた、同レーザーの発光特性の制御に成功したことも併せて発表された。

同成果は、核融合研の上原日和助教、同・シーチュエンCOE研究員、同・安原亮准教授、北海学園大の藤原英樹教授、名大の大野哲靖教授、同・田中宏彦准教授、東京大学の梶田信教授らの研究チームによるもの。詳細は、米国化学会が刊行する光学材料の応用に関する全般を扱う学術誌「ACS Applied Optical Materials」に掲載された。

光学分野で注目されているランダムレーザーは、高強度の光を広い空間に照射することが可能で、従来のレーザーと白熱電球の長所を兼ね備えているといえる。半導体材料の表面にナノメートルサイズの凹凸構造を形成する微細加工は、太陽電池や発光デバイスなどの光学機器の性能を向上させることができ、ランダムレーザーもこのような微細構造を利用している。

こうした微細構造は、現在は複数の工程を要する複雑な手法である光リソグラフィが用いられており、より簡便で低コストな手法で広い面積に微細構造を形成する技術が求められていた。

一方、ランダムレーザーはランダムな凹凸構造を利用するため、レーザー光の発生に必要なエネルギーや光の波長などの性能(発光特性)を制御・予測することが困難だったとする。

そうした中、研究チームが着目したのが、核融合発電の長年にわたる研究において培われてきたプラズマを装置の壁材料に照射する技術だという。名大と東大の共同研究チームが、核融合発電で重要な高温のプラズマと発電装置の内壁との相互作用を明らかにするために独自に開発したもので、現在ではプラズマ化するガスの種類や照射量を正確に制御することが可能になっているという。

そこで今回の研究では同技術を応用し、プラズマを一度だけ半導体材料に照射するという簡便な手法を用いて、広範囲での微細構造の作製を試みることにしたとする。今回は、化合物半導体であるGaNを対象とし、アルゴンプラズマが照射された。