業績に直結する売上を叩き出す営業は、企業に欠かせない存在だ。では、営業で成果を上げるにはどうすれば良いのか。11月17日に開催された「TECH+フォーラム マーケティング&セールステック for Leaders Day 2022 Nov. 事業を前進させるBtoBマーケティング&セールステック活用」では、NTT東日本に入社後3年で年間ランキング約2,000人中1位という偉業を成し遂げたNTTDXパートナー兼NTTグループ有志団体 O-Den代表、ONE Xの太谷成秀氏が登壇。営業担当者向け、チーム向けにそれぞれ、成果を上げるために押さえるべきポイントを伝えた。
営業の軸になるのは「3つの意識」と「行動」
NTT東日本に入社し、3年目で2,000人の営業担当中のトップに立ち、その後も5年連続で本部長表彰、2回の社長表彰という輝かしい営業成績を打ち立てた太谷氏。だが決して、「キーマンのアポがなかなか取れない」といったよくある営業の悩みと無縁なわけではなかったという。そんな同氏が営業担当者に送るメッセージは、「営業の軸となる3つの意識と行動を実践すること」だ。
3つの意識の1つ目は、「熱心で元気な対応をする」ことである。太谷氏は「当たり前と思われるかもしれないが、できていない人が多い」とし、自身も新入社員時代、上司に注意を受けたことがあると話した。
「お客さまがいくら商品を欲しい状態でも、営業担当に元気がなければ売れません。特に初対面のときはテンションMAXで対応することを心掛けましょう」(太谷氏)
「熱心」とは、「常に、少しずつ期待値を超え続けること」だと同氏は説明する。顧客に”次までにこれを教えて”と言われたら、答えを伝えるだけではなく、プラスアルファの情報を添えて答えるのがポイントだ。
2つ目は「お客さまが今何を考えて求めているのかを推察する」ことである。対面で提案中であれば、今顧客がどんなことを考えているのかを意識する人は多い。しかし、メールを作成する際など、実際には対面していないときにもこれを意識することが大切だと太谷氏は説く。
3つ目は、「自ら高い目標を立て、常に意識する」ことである。シンプルで高い目標を立てたら、それを意識する。太谷氏の場合、毎週月曜の朝に目標進捗を計算し、どの商材を・いくらで・何社に売ることができれば目標を達成できるのかを把握するようにしていたそうだ。そのため、「競合がいて、単価が低くなりそうな顧客の優先度を落とし、別の顧客に時間をかける」といった定量的判断が可能になったと自身の経験を明かした。
“完コピ”して、オリジナルを加える
3つの意識とセットになるのが行動だ。ここでは、トップセールスの手法を完全コピーし、その型をベースに自分のオリジナルを加える「コピー×オリジナルがポイント」だと太谷氏は言い切る。
「トップセールスの話す内容、ジェスチャー、リズムや強弱など、完全にコピーしましょう。録音・録画して徹底的に真似し、営業プロセスごとに真似するポイントをまとめると良いと思います。この方法は成果が出るまで最低半年はかかるので、粘り強く実施することが必要です」(太谷氏)
そこに加えていく自分のオリジナル要素はどのように編み出せばよいのか。これについて同氏は、「まず自分の強みを分析することから始めると良い」とアドバイスした上で、「3つの意識と行動が営業の軸です。この4つを実践することで成果が上がります」と力を込めた。