Dropboxは11月29日(現地時間)、「Dropbox to acquire Boxcryptor assets, bring end-to-end encryption to business users」において、ドイツの企業「Boxcryptor」からエンド・ツー・エンドの暗号化技術を買い取ったとアナウンスした。

Boxcryptorはクラウドベースのセキュリティツールなどを提供しているセキュリティ企業で、DropboxやGoogleドライブなどの複数のクラウドストレージに対応した高度な暗号化技術を保持している。今後、Boxcryptorから取得した暗号化機能をDropboxにネイティブで組み込み、有料プランのビジネスユーザーに提供する予定だという。

  • DropboxがBoxcryptorからエンドツーエンドの暗号化技術

    DropboxがBoxcryptorからエンド・ツー・エンドの暗号化技術

現在Boxcryptorが提供している暗号化ツールでは、クラウドストレージとのファイル同期において、データを転送する前にエンド・ツー・エンドで暗号化を行うことによってユーザーの機密情報を保護することができる。複数のクラウドストレージに対応しており、クライアント側はWindowsやmacOS、iOS、およびAndroidでクロスプラットフォームに利用できる点が特徴。

SSO(Single Sign-On)やSCIM(System for Cross-domain Identity Management)、Active Directoryなどもサポートしており、必要に応じて2要素認証も利用できる。今回Dropboxでは、これらのエンド・ツー・エンドの暗号化技術をBoxcryptorから買い取る契約を締結したという。

この契約について、Boxcryptorではユーザーに対し、次のようにアナウンスされている。

これによると、Boxcryptorの既存の顧客との契約や顧客データ、暗号鍵などの資産は、過去10年間と同様に、Boxcryptorと同じ株主を持つドイツのSecomba GmbHに残され、Dropboxに移行されることはないという。また既存のユーザーに対しては、現在の契約条件に基づいたサービスが引き続き提供される。ただし、新規でのアカウントの作成やライセンスの購入はすでに停止されているとのことだ。