IC Insightsによると、2022年の半導体センサ市場は、自動車や産業機器、組込制御アプリケーションなどに対する供給不足に伴う価格上昇を背景に、ほとんどのカテゴリで2桁%のプラス成長となり、総額としては前年比13.4%増の144億ドルで、過去最高を更新する見込みだという。

一方で、出荷個数は前年比で1%増の308億台にとどまる見込みだというが、これも過去最高を更新する見通しだとい。この過去最高を更新する背景には、さまざまな分野におけるスマート化ニーズの高まりに対して、供給不足に伴う製品価格の上昇があったためだという。

  • 半導体センサ市場と出荷数量の推移

    半導体センサ市場(単位:10億ドル)と出荷数量(100万個)の推移と予測 (出所:IC Insights)

平均販売価格が大幅に上昇

半導体センサは需要の増加に対する供給不足に伴い、平均販売価格(ASP)が上昇している。同社では、半導体センサ全体でASPは前年比11%増となると予測しており、これは過去20年間における最大の上昇率になるという。

中でも加速度/ヨーセンサは同15%増の55億ドル(出荷台数は同0.5%増の71億台)、磁場センサが同20%増(ナビゲーションアプリケーションでよく見られる電子コンパスチップを含む)の33億ドル(出荷台数は同1%増の127億台)と売上高を伸ばす見込みだという。

一方、圧力センシングデバイス(マイク チップを含む)の売上高は、自動車生産の制約とスマートフォンの出荷減少により、同5%増の48億ドルほどと、比較的低めに予測されている。また、出荷台数も同0.4%増の85億台にとどまると予測されている。

全体売り上げの過半を占めるMEMSセンサ

なお、半導体センサ市場の約4分の3をMEMSセンサが占めている。圧力センサ、マイクチップ、加速度/ヨーセンサなどがMEMSベースのセンサであり、それらの出荷個数は全半導体センサの54%を占める規模で、それらMEMSセンサ市場は、2022年も前年比5%増の108億ドルと過去最高を更新することが予想されているほか、出荷個数も同7%増の167億台と、過去最高を更新することが予想されている。