台湾の半導体市場動向調査会社であるTrendForceは、2022年第3四半期のDRAM市場の売上高が前四半期比28.9%減の181億9000万ドルにとどまったと発表した。

このマイナス成長率は、2008年のリーマンショックに次いで2番目に大きいものである。第3四半期については、コンシューマーエレクトロニクスの需要が引き続き縮小するにつれて、DRAM契約価格の前四半期比減少率が10〜15%に広がったほか、他のタイプのDRAM製品の出荷と比較して比較的安定した傾向にあったサーバーDRAMの出荷も、バイヤーが在庫レベルを調整し始めたため、前四半期から減速している。

  • 2022年第3四半期の世界自社ブランドDRAMサプライヤの売上高ランキング

    2022年第3四半期の世界自社ブランドDRAMサプライヤの売上高ランキング (出所:TrendForce)

2022年第3四半期のDRAMサプライヤ各社の業績に目を向けると、トップ3サプライヤ(Samsung、SK hynix、Micron)はすべて前四半期比で売上高が減少している。Samsungは、同33.5%減となり、上位3社の中で最大の下げ幅を記録した。Micronは、独自の会計年度を採用しているので、6~8月期の集計となるため、残り2社よりも下げ幅は低かった。すでに各社ともに減産に動いている。ただし、TrendForceは現時点では、上位3社ともに、まだ比較的高い営業利益率を維持していると指摘している。

なお、台湾拠点のDRAMサプライヤの中で最大規模のNanyaの同売上高の下げ幅は、メインサプライヤ6社中でもっとも低い同40.8%減となったが、これは同社の製品構成に占めるコンシューマDRAMのシェアと顧客ベースにおける中国本土の顧客のシェアが他社よりも大きいためだとTrendForceは分析している。