KDDIとKDDI総合研究所は11月17日、メーカーや用途を問わずにクラウド上でロボットを一元管理可能な「ロボットプラットフォーム」の実証を開始すると発表した。このプラットフォームが持つ、さまざまな種類のロボットをクラウド上で一元管理する機能や、ロボットが移動する際に障壁となるセキュリティゲートやエレベーターなどの建物設備と連携する機能について確認する。
昨今、国内では配送や清掃や見回りなどさまざまな場面でロボットを活用するための取り組みが進められている。しかし、現状はメーカーや用途ごとにロボットの管理が必要となる場合が多く、管理者の負担が大きいため複数種類のロボットを導入するのが困難だ。
また、セキュリティゲートやエレベーターなどの建物設備はロボットが移動する上で障壁となり、建物内をロボットが円滑に移動するためにはシステム改修や工事により各建物設備と連携する必要がある。将来的には複数種類のロボットが連携して仕事をするようなケースが想定されるため、KDDIはロボットを集中制御する仕組みや建物設備との効率的な連携を実現するために、ロボットプラットフォームの開発を進めるという。
同プラットフォームは異なるメーカーや用途のロボットを接続可能で、ロボットからは通信品質、走行状態、現在地、電池残量などの情報を取得できる上、ロボットに対して動作指示も出せる。そのため、管理者はこのプラットフォームのみで配送、清掃、見回りなどのさまざまな用途のロボットを管理できる。その他、ロボット同士の衝突回避や連携動作も可能だという。
今回の実証では、研究拠点であるKDDI research atelier(東京都 港区)に設置した異なる種類のロボット2台とセキュリティゲートをプラットフォーム上で接続する。プラットフォームからロボット2台に対して動作指示が送られ、ロボットからプラットフォームに走行状態や現在地などの情報を送信する。プラットフォームはそれらの情報を元にセキュリティゲートの開閉を行う。
こうした一連の動きを通じて、ロボットがスムーズにセキュリティゲートを通過できるかを検証するとのことだ。さらに2022年度中にはセキュリティゲートに加えてエレベーターとの連携も実現し、ロボットが自由に動ける範囲を拡大していく予定。