仏Quandelaは、仏原子力・代替エネルギー庁の電子情報技術研究所(CEA-Leti)と提携し、次世代高性能量子フォトニックチップの製造について技術提携を行ったと発表した。CEA-Letiは、このパートナーシップ契約の一環として、その専門知識と研究所内の製造プラットフォームをQuandelaに提供するという。

Quandelaは、2022年初めにフォトニックコンピュータープログラミングおよびシミュレーションソフトウェアをリリースした後、光量子コンピューターを開発している量子フォトニクス分野の新興企業である。

6qubit量子コンピュータの利用を可能に

Quandelaによると、同社の量子フォトニクス技術には、他の量子技術よりも多くの利点があるという。たとえば、光子は環境変化の影響をほとんど受けないため、フォトニックプロセッサはほぼ室温での動作が可能だとする。また、開発された単一光子源により、フォールトトレラントな量子コンピュータ開発に対する理論上の障壁を取り除くことができるともしている。

同社の共同創設者であるNiccolo Somaschi氏によると、QuandelaはCEA-Letiと共に、中期的にはフルスタックの量子コンピューターを開発し、長期的にはフォールト トレラントな量子コンピューターを開発する計画を立案しているという。

なおQuandelaは現在、フォトニックコンピュータープログラミングおよびシミュレーションソフトウェアである「Perceval」に加えて、2qubitプロセッサを使用したサイバーセキュリティ強化ソリューションを提供しているという。また、近々にも6qubitのノイズを含む中規模量子コンピューターをクラウドで利用できるようにする予定ともしている。