市場動向調査会社である中CINNO Researchによると、2022年上半期の世界のOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test:半導体パッケージングからテストまで請け負う製造業者)上位10社の売上高合計は、前年同期比16.7%増の175億ドルとなったという。

トップ10社を国・地域別で見ると、台湾5社、中国3社、アメリカ1社、シンガポール1社となっている。ちなみに日本勢は、主要後工程工場をASEやAmkorなどの外資に売却済のため、トップ10に含まれていない。

  • 2022年上半期のOSAT売上高ランキングトップ10

    2022年上半期のOSAT売上高ランキングトップ10 (単位:億ドル) (出所:CINNO Research)

CINNO Researchによる、2022年上半期のトップ10社の大まかな状況は以下のとおりとなっている。

1位:ASE Holdings(台湾)

売上高は前年同期比27.1%増でダントツのトップ。2022年上期は車載向けの売り上げが、前年同期比54%増と大きく伸ばしている。

2位:Amkor(米国)

売上高は同13.5%増。データセンターとHPC需要の増加を背景に売上高を同27%増と伸ばした。また、自動車および産業分野の売上高も同16%増と伸ばしているほか、顧客との長期的な契約を背景に、ウェハボンドやリードフレームの稼働率が安定している。

3位:JCET(中国)

売上高は同8.5%増。5G通信、HPC、消費者、自動車、産業などさまざまな分野で、業界をリードする高度な半導体パッケージングおよびテスト技術を持っている。同社は、高密度SiP集積技術、2.5D/3Dウェハレベル小型チップ集積技術の生産導入と顧客製品導入をさらに促進しようとしている。

4位:Powertech(台湾)

売上高は同8.9%増で、同時期としては過去最高を更新した。データセンター、自動車、およびHPCなどの需要を背景に、DRAM生産に対する安定した需要のほか、NANDおよびSSDは、家電市場の減速を受けつつもデータセンター向け需要に支えられたという。同社は、フリップチップの開発と、ロジックチップ事業における高度なパッケージングおよびテスト技術を継続して保有している。

5位:Tongfu Microelectronics(TFME:旧社名は南通富士通微電子)(中国)

売上高は同33.4%増。主要拠点の同時増産により、売上高を伸ばした模様。また、顧客の5nm製品の小規模な生産が2022年下半期より予定されている。

6位:Huatian Technology(HT-Tech)(中国)

売上高は同6.9%増。チップレットパッケージング技術プラットフォームを有しており、大規模なeSiFO製品のプロセス開発を完了し、チップレベルおよびボードレベルの信頼性認証にも合格している。

以降、7位がUTAC(シンガポール)、8位がKYEC(台湾)、9位がChipMOS(台湾)、10位がChipbond(台湾)となっている。

なお、CINNO Researchは、将来的には、5G、IoT、ビッグデータ、人工知能、視覚認識、自動運転などのアプリケーションが継続的に増加するにつれて、より小型で高速なチップに対する需要が高まると見ており、そうしたムーアの法則を継続する重要な手段としての高度なパッケージングは、将来的にパッケージングおよびテスト市場での主要な収入源となり、市場規模は成長し続けるとしている。