リファインバースは、8月31日から9月2日まで幕張メッセで開催された「第1回オートモーティブワールド【秋】」に出展。自動車のエアバッグをリサイクルした再生ナイロン樹脂「REAMIDE(リアミド)」の製造工程や特性を紹介した。
廃棄物のリサイクルで「ごみを富に変える」
リファインバースは、廃棄物となったカーペットタイルや漁網などのプラスチック製品をリサイクルし、プラスチック原料や製品の形にして販売することで「ごみを富に変える会社」というテーマを掲げている。
同社社長の越智晶氏は、「ごみを廃棄する際には処理コストがかかるためマイナスの価値しかないが、それを再生することで素材としてプラスの価値を生むのが狙い」と話す。そのため、CO2排出量の少ないリサイクルによって環境負荷を低減させたうえで、従来方法と同程度のコストで生産を行うことを目指しているという。
今回のブースでは、ナイロン製のエアバッグを例に、自社で開発した技術によるナイロンとシリコンの分離などを経て、ペレットの状態に至るまでの段階的な様子が紹介された。また併せて、ペレットに別の樹脂や添加剤などを加え、異なる物性を持つように加工するコンパウンドが行われた状態のものも展示された。
エアバッグからリサイクルされたこれらの原料は、再生ナイロン樹脂のリアミドとして新たな製品に利用されるという。またこのリアミドは、バージン原料から生産されるナイロン樹脂に比べ、生産過程におけるCO2排出量を約75~80%削減可能だとしている。
ブースでは、再生樹脂を原料としたさまざまなプラスチック製品が展示された。またブース内に敷かれたカーペットタイルについても、リアミドを含んだものが実際に使用されているとのことだった。
幅広い素材のリサイクルで環境負荷低減に貢献
越智氏によると、オートモーティブワールドに出展した理由として、自動車業界におけるカーボンニュートラルへの意識の高まりがあるとする。
同社は実際にOEM各社との間でリサイクル技術に関する協議を開始しているといい、2022年6月には豊田通商との間で、エアバッグリサイクル技術のライセンス供与について合意に至ったことを発表している。
「自動車メーカーは各社ともに、メーカーとしてリサイクルをどう進めていくかについて、問題意識を持っている印象を受ける」という越智氏は、「カーボンニュートラルやCO2削減についての関心が高まる中で、我々は提供できるリサイクル素材の幅を広げていきたい」と今後の見通しについて語った。