東京大学 生産技術研究所(東大生研)は8月9日、コンクリートがれきを粉砕して圧縮成形し、高圧水蒸気で処理することで、コンクリートがれきを100%リサイクルした硬化体(リサイクルコンクリート)を製造する技術を開発したことを発表した。

同成果は、東大大学院 工学系研究科のイブラヒム・モスタジィット大学院生(研究当時)、東大 生産技術研究所(東大生研)の酒井雄也准教授らの研究チームによるもの。詳細は、建設と修理における材料に関する全般を扱う学術誌「Construction and Building Materials」に掲載された。

一般的なコンクリートはセメント、砂、砂利に水を加えて製造されるが、環境的な観点から、セメントの製造時CO2が多く発生する点が課題となっている。その発生量は、全世界のCO2排出の約8%を占めるほどとされている。また、砂や砂利が世界的に不足していることに加え、毎年約3500万トンと大量に発生するコンクリートがれきの処理も問題となっており、コンクリートの再生技術の開発が進められている。

実は、コンクリートがれきの再利用率は約99%と非常に高い。ただしその9割強は、路盤材料として道路建設の際に舗装の下に埋めたり、埋め立てに用いられたりしているのに留まっている。しかも、近年の建設需要の低迷により、今後もコンクリートがれきを道路建設や埋め立てなどに用いて吸収し続けることは困難と見られている。

一方、コンクリートがれきから取り出された砂や砂利が、新しいコンクリートの製造において再利用される割合は、1割にも満たないという。なおかつ、取り出された砂や砂利の表面にセメント分が付着していると、これを用いて製造したコンクリートの性能が低下してしまう。そのため、付着物の除去が必要となるが、その工程には多くのエネルギーと手間がかかる。さらに、取り除いた大量の付着物の処理も問題となっていた。

このような状況から、コンクリートがれきについて、その用途の拡大と、新たにセメントを用いることなく、十分な強度を示すリサイクルコンクリートとして再生する技術が求められていた。

それに対して研究チームではこれまでの研究で、コンクリートがれきを粉砕して得られる粉に高い圧力をかけて成形体として再生する技術を開発していた。ただし、実用上の必要な強度を得ることができていなかったという。

そこで今回の研究では、コンクリートがれきを粉砕して圧縮成形して作製したリサイクルコンクリートに対し、高圧水蒸気による処理を行うことにしたとする。