インターステラテクノロジズ(IST)は9月12日、人工衛星開発の100%子会社Our Starsとともに、低価格で便利な宇宙輸送サービスと次世代の衛星サービスを通じた、国内初の「宇宙の総合インフラ会社」となることを宣言した。
近年、宇宙市場は年々拡大しており、204年には110兆円規模に成長するとも言われている。その大きな原動力が民間の宇宙利用であり、その多くで小型人工衛星の活用が期待されている。
一方、そうした衛星を宇宙に打ち上げるロケットについては、日本では年に数回ほどで世界シェアの2%ほどと低く、またロシアのウクライナ侵攻に伴うロシア製ロケットを他国が利用することが難しくなっている状況もあり、日本でも宇宙利用に向けた民間活用も含めた強化方針が示されるようになっている。
ISTも、既存の宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」に続いて超小型衛星を地球周回軌道に打ち上げることを目的とした小型ロケット「ZERO」の開発を進めており、2023年度の初号機打ち上げを目指している。
また、それと並行して子会社Our Starsでは、ピンポン玉サイズの超超小型衛星数千個を編隊飛行させ、大きなアンテナとしての機能を果たす「衛星フォーメーションフライト」の研究開発を進めており、地上局アンテナ不要で、スマートフォン(スマホ)などの通信デバイスと衛星間で直接通信可能な次世代の「衛星通信3.0」の実用化を目指しており、Our Starsの通信とZEROによる宇宙輸送サービスを垂直統合的に事業展開することで、スピーディーな開発と低価格化を実現するとしている。
今回の総合インフラ会社宣言は、そうしたZERO初号機の打ち上げ時期が見えてきた中で、真に「誰もが宇宙に手が届く未来」を実現し、宇宙を通じて地球の暮らしを豊かにしていくことを目指すために打ち出したとしている。