ヤマハは、歌声の分析・合成とAIを用い、人の歌声を別人の歌声にリアルタイム変換する技術「TransVox」の実証研究として、「Every Little Thing(ELT)」の持田香織氏の歌声に変換できる専用マイク「なりきりマイク」が設置された「なりきりマイク feat.ELT 持田香織 スペシャルルーム」を第一興商が運営するビッグエコー3店舗にて期間限定で展開すると発表した。

  • ビッグエコー渋谷センター街本店の「なりきりマイク feat.ELT 持田香織 スペシャルルーム」内装

    ビッグエコー渋谷センター街本店の「なりきりマイク feat.ELT 持田香織 スペシャルルーム」内装

ヤマハが研究開発を行うTransVoxは、歌声の特徴や音の高低に応じた音色の変化など、歌い方の癖をAIに学習させることで、年代や性別を問わずどんな人の声でも、特定の人の歌声に変換することができる技術。

人の歌声を瞬時に分析し変換先の人の歌声を作り出す仕組みにより、リアルタイムでの歌声変換を実現した。

TransVoxは、歌声を加工して電子的な効果を与える一般的なボイスチェンジャーとは異なり、歌声の発音や抑揚を瞬時に分析し、あらかじめAIが学習した特定の歌手がそれを真似て歌い直すような仕組みで歌声を再合成するという。

今回のキャンペーンでは、持田氏のボーカルデータをAIに学習させており、ELTの曲だけではなく、どんな曲でもなりきりマイクを通じて歌えば、持田氏の歌声で再現できるという。

  • スペシャルルームに設置された「なりきりマイク」

    スペシャルルームに設置された「なりきりマイク」

  • ボックスでキーや音量を操作できる

    ボックスでキーや音量を操作できる。音声の再現はマイクを通じて歌うだけという簡単なもの

なりきりマイクを使って歌っている様子

今回のAIは歌声に特化したAIのため、話し声は少し苦手のようだが、ヤマハの担当者によると、教師データを話し声にするなどの工夫をすれば、話し声の再現にも転用できる可能性があるという。

ヤマハの担当者は「キャンペーンによって、まずは多くの方に技術を知ってもらい、どのような分野に展開していくか検討できたら」と今後の展望についてコメントした。

なお、なりきりマイク feat.ELT 持田香織 スペシャルルームが設置される3店舗は東京の「ビッグエコー渋谷センター街本店」、静岡県の「ビッグエコー浜松有楽街店」、大阪の「ビッグエコー梅田茶屋町本店」となっている。

展開期間は8月25日から10月11日までの予定で、特別料金などはかからない。各店舗への電話で、予約も可能としている。