半導体・デイスプレイ市場調査会社である中CINNO Researchによると、2022年6月における中国のスマートフォン(スマホ)SoCベンダシェアは1位のMediaTek、2位のQualcomm、3位のAppleの3社合計で95%以上となり、前年同月比で10%ポイント以上増加したという。
同月のシェアはMediaTekが前月比約0.3ポイント減の約43.8%、Qualcommが同約0.4ポイント増の約34.3%、Appleが同約1.1ポイント増の約16.9%としている。
同月の中国のスマホ出荷台数は前月比約21.3%増の約2320万台となり、トップ3および4位のHiSiliconのいずれもが同20%増を超す成長率を達成したとするが、前年同月比で見ると、端末の総出荷台数は約18.6%減となり、4社中MediaTekのみプラス成長となるという。
シェアを価格帯別に見ると、MediaTekは2000元以内のローエンド市場で前年同月比19ポイント増の65.3%となったほか、2000~3999元の市場ではQualcommが同5ポイント増の49.2%。4000~5999元および6000元以上の市場ではAppleがそれぞれ70.1%、77%のシェアを獲得したという。
2022年第2四半期のスマホSoC市場は前四半期比でマイナス成長
また、第2四半期全体を見ると、スマホSoC搭載端末の出荷台数は前四半期比で約19.4%減、前年同期比で約19.9%減の約5990万台と、いずれもマイナス成長を記録した。中でもHiSiliconは前四半期比40.5%減、前年同期比80.4%減と大きく落ち込んでいる。
同四半期のトップ3の市場シェアはMediaTekが前年同期比約8ポイント減の43.3%、Qualcommが同1ポイント減の34.5%、Appleが同3ポイント増の16.6%となったという。また、価格帯別では、2000元以内のローエンド市場でMediaTekが64.8%を、ミッドレンジではQualcommが51.8%を、4000-5999元および6000元以上のハイエンド市場ではAppleがそれぞれ69.3%と74.9%を占めたという。
2022年上半期でプラス成長を達成したのはトップ5社中2社
2022年上半期で見ると、中国のスマホ用SoCの出荷台数は前年同期比約16.9%減の約1億3400万台で、1位のMediaTekと5位の紫光集団(UNIGROUP)傘下のUNISOCのみ前年同期比でプラス成長を達成。中でもUNISOCの同38%増と大きく伸ばした一方で、同じ中国勢であるHiSiliconは同約81.5%減と対照的な結果となった。
ベンダ別シェアは、MediaTekが約42.1%、Qualcommが約35.3%、Appleが約16.3%となっている。なお、CINNO Researchによると、2022年下半期はMediaTekのDimensityチップの安定出荷、QualcommのSnapdragon 8+ Gen1のTSMCでの製造、Appleの次世代製品発表などがあり、需要喚起につながることが期待されるとしている。