実験の結果、XXメダカは高温ストレスやコルチゾル量の上昇がなくても雄化することが判明したとする。さらに、PPARαの機能をなくしたノックアウトメダカに酸化ストレスを与えたところ、まったく雄化しないことも確認された。
これらのことから、雄化には酸化ストレスによるPPARαの活性化が重要で、酸化ストレスは、高温ストレスやコルチゾルシグナルの下流で働き、PPARαを介してXXメダカの雄化を誘導することが考えられるという。
なお、ヒラメやウナギなどの魚類養殖では、雄よりも雌の成長が早いなどの理由により、雌だけを作る全雌生産の技術開発が求められている。今回の研究により、ストレスによる雄化を誘導する分子機構が明らかになったことから、今後はこの機構を利用した、新たな性統御技術の開発が期待されると研究チームでは説明している。