Facebookの運営企業であるMetaはこのほど、「Testing End-to-End Encrypted Backups and More on Messenger」において、Messengerにおけるメッセージ履歴の暗号化されたバックアップ機能や、デフォルトでのエンドツーエンド暗号化チャットの提供などをテスト中であると伝えた。これらの機能が実現すれば、Messagnerプラットフォームにおけるユーザーのプライバシー保護が強化されることが期待できる。

Messengerプラットフォームでは現在、エンド・ツー・エンドでのチャットの暗号化機能(E2EE: End-to-End Encryption)が提供されているが、Metaによれば、一部のテストグループに参加するユーザーに対し、このE2EEをデフォルトで有効化するテストを開始したという。E2EEは、あるエンドポイントから別のエンドポイントに送信されたデータを暗号化することで、第三者による不正アクセスを防止するメカニズムである。テスト対象のユーザーは、オプトインを必要とせずにこの機能が有効になる。

  • エンドツーエンド暗号化を有効にしたチャットチャンネルの例(引用: Meta)

    エンドツーエンド暗号化を有効にしたチャットチャンネルの例 引用:Meta

さらにMetaでは、メッセージ履歴のエンド・ツー・エンドの暗号化バックアップ機能のテストも開始したという。現在、E2EEで暗号化されたメッセージの履歴はデバイス本体に保存されている。そのため、デバイスを紛失したり買い替えたりした場合、過去のメッセージ履歴が移行できずに失われてしまう。エンド・ツー・エンドの暗号化バックアップが実装されれば、メッセージ履歴を安全な状態のままサーバに保管して、新しいデバイスで復元することが可能になる。

  • メッセージ履歴のエンドツーエンドの暗号化バックアップ(引用: Meta)

    メッセージ履歴のエンドツーエンドの暗号化バックアップ 引用:Meta

そのほか、E2EEチャットで無効化されていた複数の拡張機能を使用できるようにする変更、Code Verifyと呼ばれる新しいセキュリティ機能、InstagramにおけるE2EE機能のトライアル範囲の拡大などの取り組みを、今後数週間にわたって展開していく予定とのことだ。