東京大学(東大)は8月9日、約5700個の赤色矮星に対し、東大 木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に搭載すた広視野動画観測システム「トモエゴゼン」の機能を活かした秒刻みの高速モニター観測を実施した結果、これまで観測が困難だった、赤色矮星における数十秒以下の短時間で明るさが約2倍になるような激しい増光を見せる「短時間フレア」を、合計22件検出した(増光時間の最短は6秒)と発表した。

同成果は、上海交通大学 李政道研究所の逢澤正嵩博士研究員、東北大学の樫山和己准教授、東大大学院 理学系研究科の直川史寛大学院生、同・大澤亮特任助教(研究当時)、同・酒向重行准教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、日本天文学会が刊行する欧文学術誌「日本天文学会欧文研究報告(Publications of the Astronomical Society of Japan)」に掲載された。

恒星表面で発生する突発的な爆発現象であるフレアは、発生するタイミングや強度などを前もって予想することが難しい。そのため、これまでその瞬間をとらえることは困難だったが、ケプラーやTESSなどの宇宙望遠鏡をはじめとする大規模なサーベイ観測により、多数の恒星においてフレアが検出され、その発生メカニズムの理解が進展してきている。

2021年、太陽に最も近い恒星である赤色矮星プロキシマ・ケンタウリから、数秒間に紫外域や電波の波長において急激な増光を示す短時間フレアが検出された。ただし、これまでのサーベイ観測では数十秒から数十分程度刻みの動画しか取得できなかったため、数秒から数十秒という短期間で劇的に増光するフレアの検出は困難だったという。そのため、短時間フレアが普遍的な現象なのか、また最大でどれだけのエネルギーを放出するのかなど、基本的な特性が未解明だったとする。

そこで研究チームは今回、秒刻みで広視野の動画撮像が可能なトモエゴゼンを用いて、赤色矮星からの短時間フレアの探索を実施することにしたという。