NECの子会社で、新事業開発を推進するNEC Xは7月13日、火災などの災害や事故現場における初動対応要員向けリアルタイム位置測位ソリューションを提供するスタートアップ「NavigateIO(ナビゲートアイオー)」を米国で設立したと発表した。同社は、NEC Xの新事業創出プログラムを通じてスピンアウトさせた6社目の企業となる。

同ソリューションは、NEC北米研究所が開発したUWB(Ultra Wide Band)を用いた屋内位置測位の特許技術を活用して開発されたもので、GPSで位置情報を取得できない環境や位置情報取得のためのインフラが設置されていない場所でも、モバイルビーコンを装着した対応要員の位置情報を確認することができる。

  • 消防士によるモバイルビーコン装着イメージ

    消防士によるモバイルビーコン装着イメージ

現場到着時にアンカービーコンを設置するだけで、複数の対応要員の現在位置がリアルタイムにタブレット端末に表示されるため、同ソリューションを用いることで災害対応チームの指令官は初動隊員を視覚的かつ正確に追跡・把握することが可能だ。

  • タブレット端末イメージ

    タブレット端末イメージ

NavigateIOは、米国にある4地区の消防署と実証実験を行っており、その結果、救助時間を60%短縮させることができた。また同実証実験で、建物火災時の屋内位置の把握のみならず、山火事周辺の状況把握や、警察・SWATなどの隊員の位置把握などにおける有効性を確認しているという。