NECは2月7日、暗闇や濃煙下などの視界不良時やGPSの届かない屋内における消防活動をサポートする「現場活動支援ソリューション」の開発を発表した。

  • 「現場活動支援ソリューション」の利用イメージ

同ソリューションは、赤外線カメラを搭載し暗闇でも要救助者の検索活動を支援する「スマートマスク」や、GPSが届かない屋内で消防隊員の位置情報をリアルタイムに確認できる「屋内位置測位システム」、指揮支援機能を搭載したタブレット端末や電子指揮盤によって現場の消防隊員間や指令センターなどとの情報共有・指揮伝達を支援する「指揮支援システム」から構成される。

スマートマスクは、火災現場などで消防隊員が着装する空気呼吸器の面体に、フルカラー表示のヘッドマウントディスプレイと赤外線カメラ・可視光カメラを搭載し、赤外線カメラ映像により暗闇や濃煙下での活動や要救助者の検索活動を支援する。また、現場隊長や指揮本部との無線技術によるネットワーク化により、リアルタイムな情報共有が可能だ。

  • スマートマスク(左)とマスクの活用イメージ(右)

屋内位置測位システムは、あらかじめ設置された位置情報を取得するためのインフラを必要とせずに、モバイルビーコンを装着した消防隊員の位置情報を確認できる屋内位置測位システムだ。

  • 屋内位置測位システム(イメージ)。現場到着時にアンカービーコンを設置することで、複数の消防隊員の現在位置がリアルタイムにタブレット端末に表示される

NECは今年度から電子指揮盤と連携した指揮支援システムの提供を開始しており、2023年度までにはスマートマスクと屋内位置測位システムの実用化と各システム間のデータ連携強化を進め、同ソリューションの全国の消防への展開を目指す。