名古屋大学(名大)と大阪大学(阪大)は6月28日、半自律型ロボットの操作者において、自律対話機能を持つロボットの身体の一部のみを操作するだけで、操作者の態度はロボットが自律的に示す態度に近づくように変容することを明らかにしたと発表した。
同成果は、名大大学院 工学研究科の窪田智徳特任助教(研究当時・阪大大学院 基礎工学研究科 大学院生/日本学術振興会特別研究員)、同・小川浩平准教授、阪大大学院 基礎工学研究科の吉川雄一郎准教授、同・石黒浩教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。
これまで、ヒトと関わるロボットの研究においては、ロボットが対話相手に与える影響が主に着目されており、遠隔操作型対話ロボットの操作者が受ける影響についてはあまり研究されてこなかった。しかし、ロボットの対話相手だけでなく、操作者に与える影響も明らかにしていくことは、社会において受け入れられるロボットを実現するためにも不可欠だとされる。
そこで研究チームは今回、「ある態度を自律的に示す半自律型の遠隔操作対話ロボットの身体の一部の操作を通じて、操作者の態度はそのロボットが示す態度に近づくよう変容するのではないか?」という仮説を立て、それを検証する実験を行うことにしたとする。
実験では、ヒトの女性を模したアンドロイドタイプの半自律型ロボットが、自律的に相手役の人物と対話しながら、「ある絵画が好き」という選好態度を示す状況が作られた。