東京農工大学(農工大)は6月27日、「DNAコンピューティング技術」と「ナノポア」計測技術を組み合わせることで、血液中のがんマーカーの複数のmicroRNA(miRNA)を同時に検出し、胆管がんを識別することに成功したことを発表した。

同成果は、農工大大学院 工学研究院 生命機能科学部門の川野竜司教授、同・大学院 工学府の竹内七海大学院生(卓越大学院生)、同・平谷萌恵大学院生(研究当時)らの研究チームによるもの。詳細は、米国化学会が刊行する化学に関する全般を扱う学際的なオープンアクセスジャーナル「JACS Au」に掲載された。

がんの診断手法として、血液や唾液などの体液を用いて低侵襲に診断を行える「リキッドバイオプシー」が注目されている。そのリキッドバイオプシーにおいて、診断マーカーの1つとして用いられているのがはタンパク質をコードしない(タンパク質への翻訳が行われない)20塩基程度の文字通り小さなRNAであるmiRNAであり、がんの種類により特異的に発現パターンが変化することがわかってきている。

miRNAの検出法として、従来法に比べて低コスト・迅速・簡便に標的分子を検出できるナノポアを用いた研究が行われてきたという。しかし、がんの識別に必要な複数種類のmiRNAを同時に検出する(=パターンとして検出する)ことが難しいという課題が残されていたことから、今回、研究チームは、DNAコンピューティングとナノポア計測という2つの技術を組み合わせて、胆管がん特異的なmiRNA発現パターンを識別することを試みることにしたという。