アマゾンのブランド保護戦略は4本の柱に重点

3番目の基調講演では、米Amazonのバイスプレジデント ブランドプロテクションを務めるメアリ・ベス・ウェストモアランド氏が、「コラボレーションで実現するAmazonにおけるブランド保護の取り組み」と題して、同社の取り組みを紹介した。

  • 米Amazonのウェストモアランド氏

ウェストモアランド氏は、同社のブランド保護戦略では以下の4つの柱に重点を置いていると語る。

1)優れた堅牢性を持つ積極的な防止策
2)ブランドを保護するための強力なツール
3)悪質な業者の責任追及
4)利用者への教育・サポート

防止策では事業者の身元確認のためのツール構築を挙げ、悪質な事業者や出品のブロックに奏功しているという。

ブランド保護には模倣品防止ツールを用意し、7億5000万個以上の商品を保護していると自負する。

悪質事業者への責任としては、2020年にAmazon模倣品犯罪対策チームを設置。ブランド・オーナーとのパートナーシップ締結やIIPPFなどの団体との協力により、模倣品業者に対抗しているという。

利用客に対しては、模倣品を避ける方法に関する啓発活動を実施すると共に、同社が模倣品と検出した商品を誤って購入した場合は、全額返金しているとのことだ。

「模倣品を0にする取り組みはノンストップで続けます」と強調するウェストモアランド氏は、パートナーシップやコラボレーション、業界横断的なブランド保護強化に期待を示し、自身の講演を結んだ。

知的財産の積極的な活用に関するパネルディスカッションも

基調講演に続いて、「知的財産の保護に加えて、ビジネスチャンスを拡大していくための知的財産の積極的な活用について」がテーマの、パネルディスカッションが開かれた。

前述の岡崎氏と杉光氏の他、アメイズプラスIT事業部マネージャーの鈴木宏典氏とキヤノン知的財産法務本部 模倣品対策課長の豊田仁氏が加わった計4人が、このテーマに沿って議論を深め、イベントは終了した。

  • (左から)岡崎氏、杉光氏、豊田氏、鈴木氏