今年1月に施行され、2024年に本格的な義務化が予定されている改正電子帳簿保存法や2023年に控えるインボイス制度。今後、2年間で企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として両方に対応する必要があり、法人向けバックオフィスSaaS(Software as a Service)を提供している企業では、これらの話題に事欠かない状況だ。今回、マネーフォワード 執行役員 マネーフォワードビジネスカンパニー CSO(Chief Strategy Officer)の山田一也氏に同社におけるBtoB事業の方向性について話を聞いた。

  • マネーフォワード 執行役員 マネーフォワードビジネスカンパニー CSO(Chief Strategy Officer)の山田一也氏

    マネーフォワード 執行役員 マネーフォワードビジネスカンパニー CSO(Chief Strategy Officer)の山田一也氏

「ビジネスを前へ。働く人をもっと前へ。」がミッション

同社のミッションは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」であり、BtoB事業では「ビジネスを前へ。働く人をもっと前へ。」をミッションに位置付けている。

山田氏は「働く人をもっと前へ。というところがポイントです。そのほかの企業であれば生産性の向上を図ることを最終的なゴールと考えがちですが、全社的には人生をもっと前へ。としているため、ビジネスを前に進めつつ、そこで働く人たちを豊かにすることをミッションに据えている点が特徴です」と語る。

  • マネーフォワードが掲げるBtoB事業のミッション

    マネーフォワードが掲げるBtoB事業のミッション

山田氏はクラウド会計サービス「マネーフォワード クラウド会計」をはじめとしたバックオフィスSaaSを主力製品としたマネーフォワードビジネスカンパニー(MFBC)に加え、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」などのSaaSマーケティング支援サービス、企業間後払い決済サービス「マネーフォワード ケッサイ」などBtoB事業全体の戦略を管掌している。

BtoB事業の指針は「ココロを動かすクラウド」となり、動かす対象は企業ではなく、人という点もポイントだ。同氏はユーザーが付いてこれないプロダクトではなく、ユーザーの0.5歩先の未来を描くプロダクトづくりを心掛けているという。

現在、同社を取り巻く事業環境として、山田氏は電子帳簿保存法の改正やインボイス制度、コロナ禍におけるリモートワークの増加、政府によるデジタル化推進、オープンAPIの拡大、資金決済法の見直し、給与支払いのデジタル化を挙げている。