日立製作所(日立)は4月21日、中国・アジアにおける昇降機事業基盤の強化に向けて、台湾の昇降機製造・販売・サービス子会社である永大機電工業(永大機電)について、発行済株式をすべて取得し、完全子会社化したことを発表した。

発行済株式を1株当たり65.1台湾ドル(約285円)で株式交換した。日立は、100%子会社での保有を含めて、以前から永大機電の発行済株式総数の71.1%を保有しており、今回の株式交換における株式取得価額は約76億台湾ドル(約333億円)となる。

永大機電の株式は、台湾証券取引所に上場していたが、同株式交換をもって上場廃止となった。社名も日立永大電梯に変更する意向を固め、2022年6月の社名変更に向けて手続きを進めていく方針。

永大機電は、1966年に設立された台湾地域最大の昇降機事業会社で、中国大陸においても集合住宅用を中心に事業展開している。日立は、永大機電の設立直後に業務提携し、1968年には出資を行い、50年以上にわたって協業関係を継続してきた。

2019年には、永大機電の株式の公開買付けを実施、発行済株式総数(自己株式を除く)の28.0%に相当する株式を取得、保有比率を39.7%に引き上げた。その後も株式の追加取得を進め、2020年10月に連結子会社化した。

日立は今後、IoT(モノのインターネット)などのデジタル技術や、環境技術の導入を進めることにより、日立永大電梯の製品競争力の強化や保全サービスの高度化を図るなど、日立永大電梯との連携強化を加速していく考えだ。