東北大学大学院工学研究科は2022年4月6日、女性の教授職を5名募集することを公表した。
大学院の教授職(任期なし、常勤職)の募集条件の中で女性に限定するという採用条件はこれまではあまりなかったため、注目を集めている。
今回募集するのは、工学研究科の「機械系」の機械機能創成専攻・ファインメカニクス専攻・ロボティクス専攻・航空宇宙学専攻、「電気・情報系」の電気エネルギーシステム専攻・通信工学専攻・電子工学専攻、「応用物理学専攻」、「マテリアル・開発系」のフロンティア学専攻・知能デバイス材料学専攻・材料システム工学専攻、「都市・建築学専攻」、「技術社会システム専攻」の6つのグループに属する工学研究科13専攻で、この中から希望する専攻を選択する形となっている。
女性の教授職を募集している工学研究科の専攻は6つあるため、この6専攻でそれぞれ女性教授職当該者を決めてから、6専攻間で5人に絞るものと推定される(この辺の調整は非公開になると想定される)。
募集している専攻の希望が複数ある場合には、希望する順番を明記するように求めている。
今回の大学院工学研究科による女性5人の教授募集は、令和4年度(2022年)4月5日に東北大が発表した「東北大学ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進宣言」をもとに、その実現策の1つとして「工学研究科 DEI 推進プロジェクト」を立ち上げたことを反映した動きだ。これによって、「ジェンダー・エクイティ・インクルージョン」の速やかな実現に取り組むと説明している。
今回の応募条件としては「採用された方には、所属専攻において新たに設定する分野に所属し、独立して研究室を運営いただき、所属する系の教員と連携して学部および大学院における教育と、卒業論文・修士論文・博士論文に集約される研究の指導をお願いすることになります。必要に応じて助教1名(任期付)を雇用することが可能です。また、帯同支援策として、採用された方のパートナーが工学研究科の教育・研究に貢献できると審査により判断された場合、クロスアポイントメント制度で雇用することも可能です」と説明している。
クロスアポイントメント制度とは、研究者が大学、公的研究機関、企業などの中で、二つ以上の機関に雇用されつつ、一定の管理の下で、それぞれの機関における役割に応じて研究・開発および教育に従事することを可能にする制度。
教授職に採用された女性のパートナーをクロスアポイントメント制度で雇用する動きも、比較的新しい試みになっている。
なお、応募の締め切り日は2022年8月1日(必着)としている。
【応募要項はこちら】
■東北⼤学⼤学院⼯学研究科 教授5名 DEI 推進公募