三菱電機は3月29日、デジタル空間に3Dで生産設備・生産ラインを構築し、生産現場での業務プロセスを実機レスで容易に検証できる3Dシミュレータ「MELSOFT Gemini(メルソフトジェミニ)」を2022年4月28日より発売すると発表した。
同シミュレータは、別売のソフトウェア「MELSOFT iQ Works」に組み込まれているシーケンサやモーションなどの制御動作をシミュレーションする「MELSOFTシミュレータ」と接続し、デジタル空間に3Dで構築した生産設備・生産ラインの動作や制御などの事前検証を実現するもの。ロボットやコンベヤ、加工機など生産ラインの構成に必要な機器パーツが約2500種類ほど用意されており、ドラッグ&ドロップにより、最適な生産設備やレイアウトを3Dで構築できることから、生産設備・生産ラインの立ち上げ時間を削減することが可能だという。
また、OPCサーバを介さずにさまざまなMELSOFTシミュレータや機器と接続することで、更新頻度をOPCサーバ経由での3Dデータと比べ約12倍に高速化しており、生産設備の動作干渉確認の精度が向上でき、作業工程のやり直しなど手戻り工数の削減および品質向上を図ることができるしているほか、生産設備の異常動作を検知したデータをさまざまな表示により確認することで、異常発生の原因を迅速に究明することも可能だとしている。
さらに、3D画面上でシミュレーションした装置の稼働状態、作業者の作業時間や待ち時間などのデータを統計化し、線グラフ・面積グラフ・棒グラフ・円グラフで表示することで、生産設備・生産ラインの歩留まりや稼働率の変化を特定することができるため、これにより、生産ラインの設計・改善を効率的に行うことができるようになるともしている。
なお、「MELSOFT Gemini Professional」と「MELSOFT Gemini Essentials」の2種類が用意されており、いずれも販売形態は、ライセンス品および保守契約1年間となっているほか、それぞれの1年間の保守契約も個別で提供するとしている。