Seagateは3月22日(米国時間)、ネットワーク・ビデオ・レコーダー(NVR)向けに、AI対応のビデオイメージングおよび分析を可能とするHDD「SkyHawk AI 20TB」を発表した。

  • SkyHawk AI 20TB
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  • ネットワーク・ビデオ・レコーダー(NVR)向け20TB HDD「SkyHawk AI 20TB」

同製品は、HAMR(熱アシスト磁気記録)技術ならびに「Multi Actuator Hard disk.2(MACH.2)」を採用した容量20TBのHDDで、同社のビデオイメージングおよび分析(VIA)デバイス製品シリーズに位置づけられるもの。32のAIストリームまで対応し、最高64台のHDビデオストリームの録画を可能としているほか、ビデオを録画して分析すると同時にGPU分析をすることも可能だという。

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    MACH.2およびHAMRの概要

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    SkyHawk AI 20TBの概要

適用分野としては、これまで監視業務が中心であったが、IoT技術の発展により、ヘルスケア分野の患者の遠隔監視、モビリティ、スマートメーターを中心とするエネルギー分野などでのビデオストレージソリューションの活用が求められるようになっており、同製品はそうしたニーズに対応するものだと同社では説明している。

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    SkyHawk AI 20TBの特徴と適用領域イメージ

また、同社はエンタープライズ向けHDDであるExosシリーズを搭載したエンタープライズ・ストレージ・システムのOEM提供を行ってきており、2021年より日本でも販売を開始。同事業(システム事業)の日本市場での売上高は、2022会計年度第3四半期(2022年1~3月)で前四半期比300%増と急速に伸びているとする。同社では、クラウドおよびデータセンター、HPC、メディアエンターテインメント、アーカイブ/バックアップを中心としたエンタープライズ市場を重点エリアに据え、システムの販売拡大を図っているという。

また、こうした取り組みの中から、2022会計年度の動きとしては、オンプレミスからクラウドへのデータ移行が増加している(クラウドコロケーション含む)とのことで、保存データ量の増加の2番目に大きな要因となると同社では見ている。データ出荷容量そのものは137EBであり、データの保存先として企業内部から、徐々に外部のデータセンターに移っていっている様子がうかがえるとしている。

こうした日本のデータセンター市場の伸びを背景に、同社の大容量ニアライン製品の需要も前年同期比で41%増と大きく伸びており、重点エリアを中心に、国内リセラーなどとのパートナーシッププログラムの展開やマーケティングおよび営業サポートなどの実施を図っており、今後もシステムストレージに対する投資を継続し、事業の拡大を図っていくとしている。

なお、SkyHawk AI 20TBは、4月中旬より国内向けに提供を開始する予定で、メーカー希望小売価格は8万8400円(税別)前後としている。