ENEOSとトヨタ自動車は3月23日、静岡県裾野市でトヨタが建設を進めるWoven City(ウーブン・シティ)において、CO2フリー水素の製造と利用を共同で推進するため、共同開発契約を締結したと発表した。両社はトヨタの子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングス(ウーブン・プラネット)とともに、Woven Cityにおける水素利活用の取り組みを加速するという。
ENEOSとトヨタは2021年の基本合意にもとづいた検討を進め、水素ステーションの建設・運営、水素ステーションでのCO2フリー水素の製造、ならびに水素ステーションからWoven Cityおよびび燃料電池車(FCEV)への水素供給(「基本合意時の検討項目1、2)に着手することを決定した。
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Woven City内で水素を製造・利用する
さらに、水素の需給管理システム(基本合意時の検討項目3)についても具体的な検討を進めることに合意しており、2024～2025年のWoven City開所前に水素ステーションの運営開始を予定している。
基本合意時の検討項目は以下の4つ。
1. ENEOSによるWoven City近隣での水素ステーションの建設・運営
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Woven City近隣に建設する水素ステーションのイメージ
2. ENEOSが水素ステーションに設置する水電解装置で再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)を製造し、Woven Cityに供給。トヨタが定置式の燃料電池発電機(FC発電機)をWoven City内に設置してグリーン水素を使用
3. Woven Cityおよび近隣における物流車両のFC化の推進とFCEVを中心とした水素需要の原単位(技術やサービスが実用性のある事業として成立する基準)の検証およびその需給管理システムの構築
4. Woven Cityの敷地内に設置予定の実証拠点における水素供給に関する先端技術研究
今回の共同開発契約において決定した事項として検討項目(1)については、Woven City隣接地に水素ステーションを建設(水素ステーション建設予定地:静岡県裾野市御宿字朴ノ木平1576番3)する。
検討項目(2)に関しては、再生可能エネルギーでCO2フリー水素を製造する水電解装置を水素ステーションに設置、製造したCO2フリー水素を乗用車や商用車など様々なFCEVに供給するとともにパイプラインでWoven Cityに供給、水素ステーション内に停電時用のFC発電機を設置する。
検討項目(3)については、Woven Cityのコミュニティエネルギーマネジメントシステム(CEMS)とENEOSの水素製造を最適化する水素EMSの連携を検討。
3社は水素を「つくる」水素ステーションと、水素を「つかう」FCEVおよびWoven Cityを連携させ、水素利活用の取り組みを加速させ、カーボンニュートラルの実現に向けてWoven Cityを起点に気軽にクリーンなエネルギーを使える社会の実現を目指す考えだ。
Woven Cityは、“ヒト中心の街づくりの実証プロジェクト”と位置付けており、自動運転、パーソナルモビリティ、ロボット、AI技術などをはじめ、さまざまな領域の新技術をリアルな場で実証する。地上に自動運転モビリティ専用、歩行者専用、歩行者とパーソナルモビリティが共存する3本の道を網の目のように織り込み、地下にはモノの移動用に1種類の道を整備する。
