ロシアによるウクライナ侵攻が進む中、社会生活の基盤となっている重要インフラストラクチャがサイバー攻撃の脅威にさらされており、サイバーインシデントの発生頻度は今後数カ月でさらに上昇するだろうと、セキュリティベンダーのCybleが「Cyble - Russia-Ukraine Crisis Places Critical Infrastructure At High Risk」において指摘した。
Cybleはサイバー犯罪者らが表明した重要インフラストラクチャへのサイバー攻撃を時系列で取り上げ、サイバーインシデントが頻発していることを伝えている。
- 2022日2月25日:ロシアのエネルギー事業者であるガスプロムに分散型サービス拒否攻撃(DDoS: Distributed Denial of Service attack)が仕掛けられたと伝えられる
- 2022年2月27日:ベラルーシ政府や関連機関を標的とするハクティビスト・アクティビスト集団である「Cyber Partisans」が、ウクライナを支援するためにベラルーシの鉄道網を攻撃したと主張
- 2022年2月28日:サイバー犯罪者がロシアのモスクワ近郊にある電気自動車充電ステーションを攻撃し、充電装置のディスプレイにウクライナを支援するメッセージを表示した
- 2022年3月1日:ロシアのドゥブナ合同原子核研究所の素粒子衝突型加速器施設への不正アクセスが伝えられた
- 2022年3月2日:ロシアのドゥブナ合同原子核研究所にサイバー攻撃を実施し、SCADAオペレータによる業務が困難になっていると伝えられた
- 2022年3月4日:Against the Westという攻撃者ががガスプロムに侵入したと主張した
- 2022年3月6日:ロシアのSCADAシステムがサイバー攻撃を受けて停止したと伝えられる
重要インフラストラクチャへのサイバー攻撃は、日常生活に支障を来すことにとどまらず、経済的問題や風評被害、人命の損失、産業活動の停止、サプライチェーン全体への支障などを引き起こす可能性がある。Cybleはこうしたサイバーインシデントが今後数カ月間で増加する可能性があると指摘している。