日立ソリューションズ・テクノロジーは3月16日、AI(人工知能)のブラックボックス問題を解決する「AI学習データ品質向上支援ツール(XAIツール)」の対象のDNN(Deep Neural Network:深層学習)モデルを拡充したことを発表した。

AI学習データ品質向上支援ツールは、学習データを解析する「データクレンジングツール」と誤認識データを分析する「誤認識分析支援ツール」から構成される。データクレンジングツールは、学習データを解析し、認識精度に悪影響のある不適切なデータを自動で抽出し除去するもの。

  • AI学習データ品質向上支援ツール 概要

誤認識分析支援ツールは、誤認識データを解析し、認識精度に寄与する部分と寄与しない部分をピクセル単位で見える化して原因を明確にする。両ツールの適用による学習データの最適化により、認識率の向上と学習データのスリム化・学習時間の短縮を実現する。同社の同ツールの導入実施例をみると、認識率が76%から90%に向上し、2400枚の不適切なデータを除去し14時間の学習時間の短縮につながったという。

  • 導入効果(同社実施例):AI認識率

  • 導入効果(同社実施例):学習データ・学習時間

そして今回、このAI学習データ品質向上支援ツールに同社独自のDNNモデルである「物体検出ソフトウェアライブラリ(DeemDetector)」に加え、さまざまな業界で活用されている代表的なOSS DNNモデル3種(YOLOv3、YOLOv4、CenterNet)を追加する。その他のOSS DNNモデルについても順次追加するとのことだ。