SUBARUと富士通は2月9日、両社が共同で開発してきた、エンジン部品加工工程における研削加工の品質を高精度に判定するAIモデル、および製造現場でのAIモデルの管理を支援する富士通の「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 現場品質AI 運用管理パッケージ」(以下、COLMINA 現場品質AI)の本格稼働を開始したことを発表した。SUBARUの群馬製作所大泉工場(邑楽郡大泉町)にて稼働しているという。

  • カムシャフト

同システムは、エンジンのカムシャフト研削工程において、研削設備に接続したセンサーから全カムシャフトの主軸動力値や振動のセンシングデータをエッジデバイスを介して収集するものだ。収集したデータを基に、AIモデルで推測した品質状態が基準値の範囲内かどうかを判定し、設備側へフィードバックする。

さらに、「COLMINA 現場品質AI」をAIモデルと連携させて導入することで、複数の設備に組み込まれたAIモデルの一元管理が可能となる。また、予測精度が維持されているかどうかをAIモデルの推論結果と検査結果を照らし合わせて常に監視することで、必要に応じてAIモデルの再学習と展開が可能になるとのことだ。

  • システム構成のイメージ)

AIモデルの本格稼働により、全カムシャフトの研削加工時の品質保証を高精度かつリアルタイムに実現できたという。さらに「COLMINA 現場品質AI」によるAIモデルの一元管理やライフサイクル管理により、効率的なAIモデルの運用や、AIモデルの品質を継続的に維持した運用を実現したとのこと。合わせて、大泉工場をはじめとしたSUBARUの群馬製作所全体でのリアルタイムデータを活用した品質保証レベル向上に向けたAI活用基盤を確立している。

両社は2019年12月から2020年12月まで、エンジンのカムシャフト研削加工工程の品質保証にAIモデルを活用する実証実験を実施した。また、2020年8月から2021年12月までは量産運用を想定した「COLMINA 現場品質AI」の開発および実証を実施している。これにより、点在する複数の設備に組み込まれたAIモデルのリアルタイムな稼働監視や、長期的なAIモデルの品質維持を実現しつつAIモデルで加工中の全カムシャフトの品質をリアルタイムに推測可能なことを確認したため、今回の本格稼働に至ったとのことだ。