新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、旭電化研究所、アルファー精工、シナプスの4者は2月1日、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、MEMS技術を用いて従来に比べて薄型・小型、かつ優れた伝送特性を持つ電子部品の開発に成功したと発表した。

今回開発された手法は、従来のシリコンMEMSの用途がセンサなどに限られていたのに対し、金属と樹脂を用いることから、コネクタやソケット、スイッチ、インダクタなど、さまざまな電子部品への応用も可能であるという。

今回の成果は、NEDO、旭電化研究所、アルファー精工、シナプスを中心に、東京工業大学と産業技術総合研究所の協力を得て実現されたもの。

電子機器における小型・高性能化ニーズは留まるところを知らない。また、5Gの次の通信規格となるポスト5Gや6Gでは、これまで以上の電子機器のコネクタや半導体ソケットの薄型・小型化や優れた高周波伝送特性などが求められると考えられているが、従来の金属と樹脂を一体化するインサート成型では反りが発生するため、厚さ0.8mm程度以下の薄型・小型製品の成型が困難とされているほか、接続長が長いため、求められる伝送特性を満たす部品が実現できていなかったという。

今回開発された技術は、母材となる銅張フィルムの上にMEMS技術で凹凸端子を付加して成形するというもの。この技術では、部品の厚さを0.1~0.5mm程度に、サイズも従来比3分の1以下にすることができるため、端子接続部の接続長を短くでき、その結果、電気インダクタンスが小さくなり伝送特性が向上することから、6Gで用いられると見られる1GHz~30GHzの高周波伝送帯域において、挿入損失が-3dB程度、特性インピーダンスのミスマッチが5Ω以下という伝送特性を満たすとともに、省エネ化も可能とする電子部品の製造が可能となったとする。

また、今回の取り組みでは、スマートフォンやノートPC、ゲーム機などで用いられる2列型のコネクタをターゲットとし、厚さを従来比1/4となるMEMSコネクタを開発。伝送特性は従来品比で損失が1/4程度となったほか、重量も同1/6以下となり、金属や樹脂の使用量も削減できたという。

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    開発されたMEMSコネクタ (出所:NEDO Webサイト)

さらに、半導体のプロセス微細化に伴うロジック半導体パッケージのピン数(BGAでははんだボール数)が増加していることに対応するべく、今回、1500~2500ピン、ピンピッチ0.3~0.5mmのBGAパッケージの試験と実装をターゲットにした薄型半導体ソケットの開発にも成功したとする。ボールピッチ0.3mmまで対応でき、かつMEMS法で一括してコンタクトデバイスを作製することで、低コスト化が可能となったほか、高周波にも対応が可能となったとしている。

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    ロジック系半導体パッケージのイメージ (出所:NEDO Webサイト)

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    開発された半導体ソケット (出所:NEDO Webサイト)

なお、アルファー精工、旭電化研究所、シナプスの3社は、今回のプログラムでの研究開発終了後も、引き続き量産製造や低コスト加工技術、歩留まり改善、さらなる高精度加工技術の開発などに取り組むとしている。