ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業は11月30日、筋肉から放出されメラニンの生成を抑制するホルモンの一種「マイオネクチン」の研究から、マンゴージンジャーエキスが筋細胞でのマイオネクチン産生を増やすこと、ならびにマイオネクチンは皮膚の細胞において、メラニン生成の抑制以外にも「炎症因子の抑制」や「メラニンキャップの分解促進」など、シミなどの色素沈着予防・改善につながる複数の働きを持つことを確認したと発表した。

今回の研究は、マイオネクチンが、筋肉量が多いほど多く作られることが知られているが、筋肉は簡単に増えないことを踏まえ、筋肉量が同じでもマイオネクチンがより多く分泌されるように筋細胞の働きを助けてくれる素材を得ることを目的に進められたもの。筋細胞を使った実験でさまざまな素材を評価した結果、マンゴージンジャーエキスにマイオネクチンの産生を増やす効果があることを見出したという。

  • マイオネクチン

    培養した筋細胞にマンゴージンジャーエキスを添加し、マイオネクチンの遺伝子発現量を調査した結果 (出所:ポーラ化成プレスリリースPDF)

また、マイオネクチンは血液に乗って皮膚にも届くことが分かっていることから、筋肉だけでなく表皮細胞にも何らかの働きかけをしている可能性があると考えられたことから、表皮細胞への影響を調査。その結果、物理的刺激による炎症因子の増加を抑制する働きと、凝集したメラニン「メラニンキャップ」の分解を促進する働きを併せ持つことが判明したという。

  • マイオネクチン

    マイオネクチンのシミなどへの影響のイメージ。メラノサイトでのメラニン生成を減らすだけでなく、表示細胞での炎症因子の産生抑制やメラニンキャップの分解促進にも働くことが判明した (出所:ポーラ化成プレスリリースPDF)

研究チームによると、これらの成果は、マイオネクチンが複合的にシミなどを抑制していることを示唆するものであるという。

なお、同社では、今回の成果を踏まえ、全身のシミなどの悩みの軽減にマイオネクチンの働きが利用できると考えられるとしており、今後、ポーラ・オルビスグループから発売される製品やサービスに活用していくとしている。